オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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「あ。もうすこししたら、花火の時間かも」
夕飯を食べ終えて話していると、悠宇が時計を見ながら言った。
「もうそんな時間?」
「うん」
「勇樹、遅くなっても平気だった?」
今さらとは思うが、念のため聞いてみた。
「大丈夫」
その笑顔に「そりゃまあそうだろう」と思う・・・そうでなければ、よる夜中にケンカなどできるはずもない。
「花火見ていく?」
「せっかく来たから、見て帰るか」
「じゃあ、見えそうな所に行く?」
「そうだね」
そして2人はレストランを出て、悠宇の道案内で花火が見えるだろう場所に陣取った。
メディテレーニアンハーバー付近には、そんな花火目当ての姿がちらほら。
それでも上手く、場所を確保した。
「さむ・・・」
さすがに夜の海風は寒く、悠宇は思わずつぶやいた。
「まだ、夜は寒いよね」
言いながら、正は悠宇を後ろから抱きすくめた。
「先輩?」
「湯たんぽ」
「・・・」
少し頬を膨らませて睨みつける悠宇に対し、正はくすっと笑った。
そして・・・。
「「あ」」
真冬の花火が上がる。
「きれい」
「そうだね。冬の花火もいいね」
「うん」
次々と上がる花火に、自然と笑みがこぼれてくる。
誰しもが、その花火のために足をとめる。
そんな花火の最後が上がり、きれいに開いたとほぼ同時、だった。
「勇樹」
「ん?」
呼ばれて顔を向けると・・・予想以上に近くに顔があり、反射的に視線を落とした。
「・・・せんぱ、い?」
一瞬、唇が触れ合った様な感覚があった。
「チョコのお礼」
「え?」
「臣人には内緒で」
「・・・」
悠宇は視線を彷徨わせた。
「なんか、違くない?」
「そうかな?」
くすりと笑う。
「高価なはずだけど。プライスレスってやつ」
「・・・」
悠宇は押し黙った。
「そろそろ帰ろっか?」
「うん」
そして、ロッカーから荷物を取りだし、帰路に就く。
「先輩」
「ん?」
「あの、さ・・・恋愛って、なに?」
突然の質問に悠宇の方に視線を移したが悠宇は視線を合わそうとせず、気まずいのだろうと、正は見当を付けた。
「さあ?人それぞれじゃないかな?」
「じゃあ、先輩にとっては?」
「さあ?」
軽く首を傾げる。
「先輩って、彼女いたっけ?」
「いや。臣人のお守が大変で無理だって」
「・・・」
「勇樹」
「?」
2人はぴたりと足を止めた。
「臣人と、勇樹を取り合うつもりはないよ」
「先輩・・・」
「俺にとっても、勇樹は弟か妹だから今はその気もないけど」
その言葉に、悠宇は小さなため息をついた。
「それに、負け戦はしない主義だからね」
それは、正たらしめる言葉だった。
あの臣人の隣にいて、影のナンバーワンとまでささやかれるのは、腕力ではない。
感情で動く臣人と違って、常に計算して動くことができ、臣人のストッパーになれるいわゆる参謀、
臣人の隣にいるからこその、ポジション。
「勇樹は俺の事みてない・・・まあ、臣人も見てないみたいだけどね」
「!」
悠宇は思わず、息を止めた。
「無理に誰かを見る必要、ないんじゃないのか?振り向かせようとするヤツもいるだろうけど、自然とできるもんじゃない?」
「そう、かな?」
「たぶん」
「そうかも」
意識せずに2人は顔を見合わた。
リゾートラインを降りて舞浜駅まで来て、またふと、正が足を止めた。
「あのさ」
「?」
「一緒にいたいって、同性に対して思うのが友情で、異性に対して思うのが恋愛じゃない?」
「え?」
「違う?」
「んー」
悠宇が小首を傾げて考えるのを、正は見守った。
「違わない、と思う」
その答えを聞いて、正は宿題をやり終えた様な気分になった。
「俺は、勇樹が男でも女でも一緒にいたいけど」
「うん」
頷いてからの表情には、笑みが浮かんでいた。
「正先輩とも、臣人先輩とも、月野とも一緒にいたい」
「あ。やっぱり負け戦だな。臣人もだけど」
くすくすと笑いながら、悠宇の頭をぽんぽんと軽く叩いた。
「先輩」
「ん?」
「今日はありがと」
「どーたしまして」
「正先輩でよかった」
「そう?ならまた、臣人を出し抜いて抜け駆けしてみる?」
「いいかも」
そう言って2人は、くすくすと笑った。
寮に帰って部屋に入ると、臣人が仏頂面で待っていた。
「ただいま」
「おかえり、先輩」
部屋にいた逸考(月野 友里の兄)が応じる。
「遅い」
臣人の声は、明らかにいらついていた。
「閉園までいるの、普通だろ」
「つーか、お前あの写メなに?」
「何って?」
けろりと答える正といらつく臣人を、逸考はにやにやしながら眺めていた。
「悔しかったら、同じ写真撮ってこいよ」
「!!」
「勝者、御園」
逸考がジャッジすると、正は満面の笑みで親指を立てた。
あとがき
はい!しゅーりょー。
ちゃんとバレンタインからホワイトデーの間に終わったわ(≧∇≦)キャー♪
これは予約投稿でオープンしていますが、きっとこれが読めるようになった頃、私はびょーいんですなヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
毎回、ちゃんと予約投稿した時にはチェックするんですが、これはできるのかどうか?
前回もちょっと書きましたが、正にスポット当てましたが、楽しかった!
あんまり出てこないんで、ちょっと性格把握しきってなくて困った時もありますが、この子の事がよく分かってよかったかも。
既出のキャラでは麟に近いかな?もうちょっと、インテリ臭がしますが(笑
なにはともあれ、お楽しみいただけたなら幸いです。
夕飯を食べ終えて話していると、悠宇が時計を見ながら言った。
「もうそんな時間?」
「うん」
「勇樹、遅くなっても平気だった?」
今さらとは思うが、念のため聞いてみた。
「大丈夫」
その笑顔に「そりゃまあそうだろう」と思う・・・そうでなければ、よる夜中にケンカなどできるはずもない。
「花火見ていく?」
「せっかく来たから、見て帰るか」
「じゃあ、見えそうな所に行く?」
「そうだね」
そして2人はレストランを出て、悠宇の道案内で花火が見えるだろう場所に陣取った。
メディテレーニアンハーバー付近には、そんな花火目当ての姿がちらほら。
それでも上手く、場所を確保した。
「さむ・・・」
さすがに夜の海風は寒く、悠宇は思わずつぶやいた。
「まだ、夜は寒いよね」
言いながら、正は悠宇を後ろから抱きすくめた。
「先輩?」
「湯たんぽ」
「・・・」
少し頬を膨らませて睨みつける悠宇に対し、正はくすっと笑った。
そして・・・。
「「あ」」
真冬の花火が上がる。
「きれい」
「そうだね。冬の花火もいいね」
「うん」
次々と上がる花火に、自然と笑みがこぼれてくる。
誰しもが、その花火のために足をとめる。
そんな花火の最後が上がり、きれいに開いたとほぼ同時、だった。
「勇樹」
「ん?」
呼ばれて顔を向けると・・・予想以上に近くに顔があり、反射的に視線を落とした。
「・・・せんぱ、い?」
一瞬、唇が触れ合った様な感覚があった。
「チョコのお礼」
「え?」
「臣人には内緒で」
「・・・」
悠宇は視線を彷徨わせた。
「なんか、違くない?」
「そうかな?」
くすりと笑う。
「高価なはずだけど。プライスレスってやつ」
「・・・」
悠宇は押し黙った。
「そろそろ帰ろっか?」
「うん」
そして、ロッカーから荷物を取りだし、帰路に就く。
「先輩」
「ん?」
「あの、さ・・・恋愛って、なに?」
突然の質問に悠宇の方に視線を移したが悠宇は視線を合わそうとせず、気まずいのだろうと、正は見当を付けた。
「さあ?人それぞれじゃないかな?」
「じゃあ、先輩にとっては?」
「さあ?」
軽く首を傾げる。
「先輩って、彼女いたっけ?」
「いや。臣人のお守が大変で無理だって」
「・・・」
「勇樹」
「?」
2人はぴたりと足を止めた。
「臣人と、勇樹を取り合うつもりはないよ」
「先輩・・・」
「俺にとっても、勇樹は弟か妹だから今はその気もないけど」
その言葉に、悠宇は小さなため息をついた。
「それに、負け戦はしない主義だからね」
それは、正たらしめる言葉だった。
あの臣人の隣にいて、影のナンバーワンとまでささやかれるのは、腕力ではない。
感情で動く臣人と違って、常に計算して動くことができ、臣人のストッパーになれるいわゆる参謀、
臣人の隣にいるからこその、ポジション。
「勇樹は俺の事みてない・・・まあ、臣人も見てないみたいだけどね」
「!」
悠宇は思わず、息を止めた。
「無理に誰かを見る必要、ないんじゃないのか?振り向かせようとするヤツもいるだろうけど、自然とできるもんじゃない?」
「そう、かな?」
「たぶん」
「そうかも」
意識せずに2人は顔を見合わた。
リゾートラインを降りて舞浜駅まで来て、またふと、正が足を止めた。
「あのさ」
「?」
「一緒にいたいって、同性に対して思うのが友情で、異性に対して思うのが恋愛じゃない?」
「え?」
「違う?」
「んー」
悠宇が小首を傾げて考えるのを、正は見守った。
「違わない、と思う」
その答えを聞いて、正は宿題をやり終えた様な気分になった。
「俺は、勇樹が男でも女でも一緒にいたいけど」
「うん」
頷いてからの表情には、笑みが浮かんでいた。
「正先輩とも、臣人先輩とも、月野とも一緒にいたい」
「あ。やっぱり負け戦だな。臣人もだけど」
くすくすと笑いながら、悠宇の頭をぽんぽんと軽く叩いた。
「先輩」
「ん?」
「今日はありがと」
「どーたしまして」
「正先輩でよかった」
「そう?ならまた、臣人を出し抜いて抜け駆けしてみる?」
「いいかも」
そう言って2人は、くすくすと笑った。
寮に帰って部屋に入ると、臣人が仏頂面で待っていた。
「ただいま」
「おかえり、先輩」
部屋にいた逸考(月野 友里の兄)が応じる。
「遅い」
臣人の声は、明らかにいらついていた。
「閉園までいるの、普通だろ」
「つーか、お前あの写メなに?」
「何って?」
けろりと答える正といらつく臣人を、逸考はにやにやしながら眺めていた。
「悔しかったら、同じ写真撮ってこいよ」
「!!」
「勝者、御園」
逸考がジャッジすると、正は満面の笑みで親指を立てた。
あとがき
はい!しゅーりょー。
ちゃんとバレンタインからホワイトデーの間に終わったわ(≧∇≦)キャー♪
これは予約投稿でオープンしていますが、きっとこれが読めるようになった頃、私はびょーいんですなヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
毎回、ちゃんと予約投稿した時にはチェックするんですが、これはできるのかどうか?
前回もちょっと書きましたが、正にスポット当てましたが、楽しかった!
あんまり出てこないんで、ちょっと性格把握しきってなくて困った時もありますが、この子の事がよく分かってよかったかも。
既出のキャラでは麟に近いかな?もうちょっと、インテリ臭がしますが(笑
なにはともあれ、お楽しみいただけたなら幸いです。
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