オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
夕飯の支度でキッチンに立っている悠宇から、音符マークとハートマークが飛んできた・・・様に見えた。
「・・・」
真冬だというのに、麟の背中には一筋の汗が流れた・・・様な気がした。
「あのー、水沢さん?」
「ん?」
手元から視線を上げたその表情は、いつもと変わらない。
その、変わらないのが逆に恐ろしかった。
「機嫌、いいっスね?」
「え?」
ことりと、左に首を傾げる。
男物のトレーナーに、少し細身のデニム。
ナリは男なのに髪の毛を下ろして小首を傾げられると、ミョーにアンバランスだった。
・・・をいをい、勘弁してくれ。
思わず溜め息をついていると、一瞬考えた様な表情を作った悠宇が、口を開いた。
「生パスタ、買ったんだ」
「はい?」
なんとなく、語尾にハートマークが付いている様な気が。
「乾麺も悪くないけど」
「はあ」
つまり、生パスタを買ってうれしくて、気分よく料理をしている、と?
なんだかなー。
脱力せざるを得なかった。
そしてその日の夕飯は、ボロネーゼとカジキのチーズ焼きとサラダだった。
次の日。
その日もやはり、昨日よりは多くないとは言え、音符マークとハートマークがキッチンから飛んできた・・・様な気がした。
「あのー、水沢さん?」
「ん?」
昨日と同じ様に顔を上げる。
「今日はまた、一体・・・」
「昨日、バリラのラザニアシートを買ったから」
「はあ」
返事をして、ふと思い出す。
「そー言えば昨日、買い物長かったよなぁ」
「うん。紀伊国屋まで行ったから」
をい。
たかだか夕飯の買い物に、どこまで行ってんだコイツは?
「あ?もしかしなくても、水沢って料理好き?」
「え?」
「違うわけ?」
「好きっていうよりは、楽しいだけ」
う?
「お菓子の方がもっと楽しいけど」
「へ?」
「えっと・・・理科の実験みたいなんだよね、気分が」
をいをい。
「お菓子の場合、グラム数間違えると膨らまなかったりとか、固まらなかったりとかするの、面白くない?」
「お菓子は焼いたことない」
「んー。料理だと、この材料とこの材料でこの味になるんだって、楽しくない?」
「楽しい、か?」
「あ、そうなんだなって、楽しくない?」
「・・・つまらなくはない気がするけど」
「うーん?」
そう言うと、悠宇は首をひねった。
けれど、悠宇は瞬時に立ち直った。
「ちなみに今夜は、ラザニア」
「はあ」
なにか違っている様な気はしたが、麟は言葉にならなかった。
そして宣言通りに、夕飯のメニューはラザニアにホットサラダ、カルパッチョ、かぼちゃのポタージュだった。
「グリッシーニもあるけど」
「とりあえず、いい」
それツマミだから・・・と心の中でだけ突っ込んだ。
正直、悠宇が作るご飯はそこそこおいしい。
昨日のボロネーゼも、不味くはなかった。
「・・・」
手元のラザニアを凝視する。
「水沢・・・」
「はい?」
「ミートソース、使いまわしじゃん」
「ごめん」
そう言うわりには、全く表情が変わらない・・・おそらく、確信犯だ。
「チーズ、忘れてて」
「まあ、不味くないからいーんだけどさ」
猿も木から落ちる、ですか?
「ってゆーかさ」
「はい?」
「パスタ得意?」
「?」
必殺技の小首を傾げるポーズ。
「バリエーション、多くない?」
「んー。得意って言うか」
言うか?
「バリエーションが多いから、作ってるんだけど」
ほんの少し、上目使い。
「もしかして、イヤだった?」
「いや。パスタ率多い様な気がしただけ」
「ならよかった」
よかったじゃなくて、そーゆーもんか?
それは得意と言うんじゃないのか?
「疾風はあっさり系の方が好きみたいだから、こってりは避けるから・・・」
「!」
それはありがたい申し出だが『避けるから・・・』の後には何が続くんだよ、をい。
「そーしてください」
「うん」
「とりあえず、明日はパスタ以外で」
「うん」
それから数日後、風の噂に乗って「神崎さんの得意料理はパスタ」という話が流れてきた。
本人が「得意、かも?」と言ったらしい。
それは、俺のせい・・・なのか?
あとがき
うーあー、なんだかよく分からないぞっ!
書いてるうちにオチが分からなくなってきたのですヽ(@◇@)ノ
一応設定で、悠宇の趣味は料理というのがあって、得意なのはパスタって事になってます。
いつ披露するのかな?って思っていて、書いてみたけど失敗した(≡д≡) ガーン
批判受け付けますぅ
「・・・」
真冬だというのに、麟の背中には一筋の汗が流れた・・・様な気がした。
「あのー、水沢さん?」
「ん?」
手元から視線を上げたその表情は、いつもと変わらない。
その、変わらないのが逆に恐ろしかった。
「機嫌、いいっスね?」
「え?」
ことりと、左に首を傾げる。
男物のトレーナーに、少し細身のデニム。
ナリは男なのに髪の毛を下ろして小首を傾げられると、ミョーにアンバランスだった。
・・・をいをい、勘弁してくれ。
思わず溜め息をついていると、一瞬考えた様な表情を作った悠宇が、口を開いた。
「生パスタ、買ったんだ」
「はい?」
なんとなく、語尾にハートマークが付いている様な気が。
「乾麺も悪くないけど」
「はあ」
つまり、生パスタを買ってうれしくて、気分よく料理をしている、と?
なんだかなー。
脱力せざるを得なかった。
そしてその日の夕飯は、ボロネーゼとカジキのチーズ焼きとサラダだった。
次の日。
その日もやはり、昨日よりは多くないとは言え、音符マークとハートマークがキッチンから飛んできた・・・様な気がした。
「あのー、水沢さん?」
「ん?」
昨日と同じ様に顔を上げる。
「今日はまた、一体・・・」
「昨日、バリラのラザニアシートを買ったから」
「はあ」
返事をして、ふと思い出す。
「そー言えば昨日、買い物長かったよなぁ」
「うん。紀伊国屋まで行ったから」
をい。
たかだか夕飯の買い物に、どこまで行ってんだコイツは?
「あ?もしかしなくても、水沢って料理好き?」
「え?」
「違うわけ?」
「好きっていうよりは、楽しいだけ」
う?
「お菓子の方がもっと楽しいけど」
「へ?」
「えっと・・・理科の実験みたいなんだよね、気分が」
をいをい。
「お菓子の場合、グラム数間違えると膨らまなかったりとか、固まらなかったりとかするの、面白くない?」
「お菓子は焼いたことない」
「んー。料理だと、この材料とこの材料でこの味になるんだって、楽しくない?」
「楽しい、か?」
「あ、そうなんだなって、楽しくない?」
「・・・つまらなくはない気がするけど」
「うーん?」
そう言うと、悠宇は首をひねった。
けれど、悠宇は瞬時に立ち直った。
「ちなみに今夜は、ラザニア」
「はあ」
なにか違っている様な気はしたが、麟は言葉にならなかった。
そして宣言通りに、夕飯のメニューはラザニアにホットサラダ、カルパッチョ、かぼちゃのポタージュだった。
「グリッシーニもあるけど」
「とりあえず、いい」
それツマミだから・・・と心の中でだけ突っ込んだ。
正直、悠宇が作るご飯はそこそこおいしい。
昨日のボロネーゼも、不味くはなかった。
「・・・」
手元のラザニアを凝視する。
「水沢・・・」
「はい?」
「ミートソース、使いまわしじゃん」
「ごめん」
そう言うわりには、全く表情が変わらない・・・おそらく、確信犯だ。
「チーズ、忘れてて」
「まあ、不味くないからいーんだけどさ」
猿も木から落ちる、ですか?
「ってゆーかさ」
「はい?」
「パスタ得意?」
「?」
必殺技の小首を傾げるポーズ。
「バリエーション、多くない?」
「んー。得意って言うか」
言うか?
「バリエーションが多いから、作ってるんだけど」
ほんの少し、上目使い。
「もしかして、イヤだった?」
「いや。パスタ率多い様な気がしただけ」
「ならよかった」
よかったじゃなくて、そーゆーもんか?
それは得意と言うんじゃないのか?
「疾風はあっさり系の方が好きみたいだから、こってりは避けるから・・・」
「!」
それはありがたい申し出だが『避けるから・・・』の後には何が続くんだよ、をい。
「そーしてください」
「うん」
「とりあえず、明日はパスタ以外で」
「うん」
それから数日後、風の噂に乗って「神崎さんの得意料理はパスタ」という話が流れてきた。
本人が「得意、かも?」と言ったらしい。
それは、俺のせい・・・なのか?
あとがき
うーあー、なんだかよく分からないぞっ!
書いてるうちにオチが分からなくなってきたのですヽ(@◇@)ノ
一応設定で、悠宇の趣味は料理というのがあって、得意なのはパスタって事になってます。
いつ披露するのかな?って思っていて、書いてみたけど失敗した(≡д≡) ガーン
批判受け付けますぅ
PR
この記事にコメントする
こんにちは
早いものでもう11月ですね。
めっきり朝晩冷え込むようになり、いかがお過ごしですか?
こういう、何気ない日常が好きです。
パスタは私もリクエストされることが多く、結構作っています。普段手抜きなので、休みの日ぐらいは手料理を出したいですものね。
どちらかというと、和風が好きかなぁ…。
めっきり朝晩冷え込むようになり、いかがお過ごしですか?
こういう、何気ない日常が好きです。
パスタは私もリクエストされることが多く、結構作っています。普段手抜きなので、休みの日ぐらいは手料理を出したいですものね。
どちらかというと、和風が好きかなぁ…。
Re:こんにちは
紅梅様
いつもいつも、本当にコメントありがとうございます。
紅梅さんは、お体のお加減はいかがですか?
季節の変わり目は、やはりダメですねぇ・・・(汗
>こういう、何気ない日常が好きです。
あ、そうですか?お楽しみいただけたのなら、幸いです。
私はあまりパスタ作りません(汗)どちらかというと、野菜料理ばっかり。それも大雑把で豪快なヤツばかり。
なので、変わりに悠宇に頑張ってもらいました(笑
いつもいつも、本当にコメントありがとうございます。
紅梅さんは、お体のお加減はいかがですか?
季節の変わり目は、やはりダメですねぇ・・・(汗
>こういう、何気ない日常が好きです。
あ、そうですか?お楽しみいただけたのなら、幸いです。
私はあまりパスタ作りません(汗)どちらかというと、野菜料理ばっかり。それも大雑把で豪快なヤツばかり。
なので、変わりに悠宇に頑張ってもらいました(笑