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オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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 また絶対に会う・・・そう正義は心に決めたが、はたと気づいた。
 「どーやって会うんだよ?」


 もう一度、あの3人に会うにはどうしたらいいか?
 水沢も、鷹ノ台の酒井田(ゴツイ男)も、酒井田が呼び出した大戸の成田も、誰の連絡先も聞いてなかったのは、大失敗。
 大戸の前で張るのは、ヒジョーにキケンだ。
 やっぱ、鷹ノ台を張るか?と思っていた。
 そんなある夜・・・梅雨に入って細い雨が降る土曜日の夜。
 友達の家から帰る途中、駅に差し掛かった時のことだった。
 駅前の人ごみの中に、水沢の姿を見つけた。
 「まぢ?」
 思わず、自分の目を疑った。
 フード付きの白いTシャツに、上から黒いシャツをを羽織り、黒のジーパンにスニーカー・・・傘を持っていないのか、駅舎の屋根の下でそぼ降る雨を見る様に天を仰いでいた。
 そんな姿にひき付けられる様に、正義は近づいていった。
 「あの・・・水沢さん?」
 「?」
 声をかけると、ゆっくりと振り向いた。
 うーわ、相変わらず美人。
 男に「美人」が失礼だと思いつつも、思わず頬が緩む。
 「桜井?」
 「あ・・・覚えていてくれたんですか?」
 「一応ね」
 「ありがとうございます」
 にこりと笑って軽く頭を下げると、水沢もまんざらではない様子だった。
 「出掛けてたんですか?」
 「まあね」
 「彼女とデートとか?」
 「さあ?」
 はぐらかすつもりなのが、バレバレだ。
 「これから帰るところ、ですか?」
 「そう」
 「あー。じゃあ、もしダメじゃなかったら、ちょっとだけお茶しませんか?」
 正義が言うと、水沢は吹き出した。
 「それって、ナンパじゃん」
 そう言うと、くすくすと笑う。
 「あー、そうですね」
 思わず頭をかく。
 「でも俺、変なシュミないですから」
 そう言うと、さらに笑う。
 「お茶ね・・・いいよ」
 そして、駅前の手近なコーヒーショップへと入った。

 「水沢さん、何がいいですか?俺おごりますよ?」
 「いい。おごられる義理、ないから」
 「この前のお礼ってことで・・・」
 「大したことしてないし。どうしてもって言うなら、稼ぐ様になってからおごってもらうから」
 「あはは・・・出世払いですか?俺、出世なんかできないですよ?」
 「まだ分んないし」
 そう言ってにっこり微笑む。
 うーわ・・・女だったらサイコー。
 そして、正義はカフェオレを、水沢はミルクティを頼んだ。

 「えーと。まずは、改めて、先日はありがとうございました」
 空いている席を見つけ、座ってからまず、正義は頭を下げた。
 「大したことしてないって」
 「でも、俺の気持ちとしては、感謝してるんで」
 そう言うと、水沢は照れくさそうにため息をついた。
 「それで・・・あの時の約束、覚えてます?」
 おずおずと聞く。
 「また会えたら、連絡先、教えてくれるって」
 「いいよ」
 あっさりと返事すると、携帯を出した。
 「じゃあ、お願いします」
 正義も、いそいそと携帯をだした。
 「水沢さん。下の名前、何ていうんですか?」
 赤外線通信したデータを確認すると、名前が入っていなかった。
 「ゆうき」
 「漢字は?」
 「勇気のゆうに、樹木のじゅ」
 「水沢 勇樹」
 携帯に映し出されたその文字を、正義はじーっと見つめた。
 勇樹は一瞬不思議に思い気になったが、まあいいかとミルクティをこくりと飲んだ。
 「水沢さん、鷹ノ台なんですか?」
 「一応」
 「嵐山じゃないんですか?」
 素直に疑問をぶつけると、勇樹は軽くためをついた。
 「嵐山にいたのは、小6の時だけだから」
 「え?」
 「中1の時に怪我して入院して出席日数足りなくなって。その後、両親が亡くなって親戚に引き取られて、面倒だからもう1回他の中学からやり直したから」
 さらりと、暗記した台詞の様に言った。
 「え・・・」
 それって結構、ハードなんじゃ?
 ついでに、ダブり?
 思わず、冷や汗が流れる。
 「それにもともと、嵐山は臣人先輩が仕切ってるから、俺がいなくても関係ないし」
 「そう・・・なんですか?」
 「まあね」
 「じゃあ。嵐山辞めて、鷹ノ台にいるんですね」
 「そう」
 「じゃあ、この近所にいるんですね?じゃあまた、これからも会えますよね?」
 「まあね」
 「よかった~」
 「え?」
 よろこんだ正義に対し、勇樹は少なからず驚いた表情をつくった。
 「俺、どーしてもまた水沢さんに会いたかったんで」
 そう言うと、また、くすくすと笑う。
 「桜井さぁ、何言ってるか分ってる?」
 「はい」
 「告白してるみたいだし」
 「あー、そうかもしれないです」
 ある意味、その通りだ。
 「俺、水沢さんに惚れてますから」
 「そういうの、女の子に言った方がいいよ」
 「でも、普通に好きって言ったら違うじゃないッスか」
 「まあね」
 「言いたいこと、分ってくれます?」
 「一応」
 相変わらず、くすくすと笑っている。
 「でも、なんで?」
 「え?」
 逆に問われ、一瞬固まる。
 理由なんて、まったく考えてなかった。
 「理由がないと、ダメですか?」
 「別に」
 「俺が会いたいって思った、じゃダメですか?」
 「ますます、告白だけど?」
 「一目惚れですから」
 勇樹は笑いが止まらない。
 「イヤじゃないなら、うれしいです」
 「嫌いって言われたんじゃないから」
 そう言って苦笑いする勇樹の言葉に、正義は安堵のため息をついた。
 そして・・・。

 「桜井っていいヤツだね」

 そう言った勇樹の笑顔に、心が満たされたのを感じた。





あとがき

 あれ?なんでコレ、連載になったんですか?
 ・・・と、自分に突っ込む←バカ

 正義って、うちのキャラの中では癒し系だと思います。
 場を和ますというか、脱力しちゃいますけど、決して悪い雰囲気にはさせないキャラ。
 そのお陰で、顔が広くて情報通なワケですね。
 あとはあれだね、あれ・・・中和剤(笑
 悠宇・麟・充槻・正義の4人だと、もう役割も決まってるし、それぞれが自分のポジション分っている。
 そーゆーシーン、なかなかないけど。
 確実に正義は中和剤w

 正義は、基本、感覚の人。
 「いいヤツ」と思ったら、その人を信じる・・・もし騙されても「騙された俺が悪い」って思うタイプ。
 そして、真面目、憎めないキャラ。

 前回のを載せた後、いい子だからもうちょっと書きたいなぁなんて思っていたら、書けちゃいました・・・ので、載せる(汗
 お楽しみいただけたら、幸いです。
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う~ん
こんにちは。
どうもキャラの相関図が頭の中で描けていません…。ダメダメですね。
もう一度読み直してみます。
紅梅 2009/07/10(Fri)14:09:38 編集
Re:う~ん
いつもいつも、コメントありがとうございます。

>どうもキャラの相関図が頭の中で描けていません…。ダメダメですね。
いえいえ、ダメダメなのは私の才能です・・・分かる様に書けないんですから。

いつか、会社でこっそり相関図作りますわ〜
【2009/07/11 11:34】
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