オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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そして、そんなある日。
そして、そんなある日。
適当につけてあった旅行番組を見ていた時のことだった。
その場所は桜の名所でもあるというアナウンスが流れ、以前に収録してあったのだろう桜の時期の情景が流れた。
画面いっぱいに広がる、桜。
「あ・・・」
不意に、あの夜のことが思い出された。
それは、春の夜。
先輩に呼び出されて、家を抜け出した日。
結果、面倒に巻き込まれ・・・その後、わざと遠回りをして帰路についた。
それはちょうど、桜が満開の夜で・・・歩いていける範囲の場所に、桜の木が数本ある公園を知ったばかりだった。
それを思い出し、その公園に足を向けた。
公園に着くと、目当ての桜の木の下には先客がいた。
コンビに帰りらしいその先客は、左手にビニール袋。
くわえタバコで、夜桜を見上げていた。
白いパーカーに白いTシャツ、色の濃いデニムにスニーカー・・・年齢は変わらない位だろう。
街灯に照らされた髪の毛はかなり茶色く、その横顔も、一瞬外人かと見まごう程だった。
ふうん・・・。
嵐山にいた連中は「花より団子」ばかりだったけど、こうやって桜を愛でるヤツもいるんだと感心する。
邪魔、しないほうがいいかな。
柔らかな表情にそう思い、その場を後にした事を。
そしてそれが、疾風だったことを。
「なに?」
飲み終わったマグカップをキッチンへと持っていった疾風が、こちらに向かいながら問いかける。
「ちょっと、思い出したことがあって」
「?」
「大したことじゃないから」
そう言うと、疾風が眉根を寄せた。
かと言って、言える様なことじゃない。
「本当に?」
「本当に」
「・・・」
要領を得ない表情を作った疾風はソファを乗り越えて、ソファの背と私との間に座った。
「無理には聞かない」
「え?」
そして抵抗する間もなく、伸びてきた腕に絡め取られるように、抱きすくめられてしまった。
「神崎」
耳元で囁かれた後、疾風がすこし腕に力を込めたのが伝わってきた。
そして、その柔らかな腕に安堵を感じ、そっと、体を預けた。
来年は、その公園に案内してもらおう。
昼の桜でも、夜桜でも、どちらでもいい。
そして、桜色の空を見上げたい・・・疾風の隣で。
あとがき
始めた時は桜の時期でしたが、終わってみたらアジサイの時期ですね。
いやぁ・・・終わったよかったです。
やっぱり、書かないと分らないことっていっぱいある。
すっかり恋愛小説書きになってますが、恋愛って実は良くわからない。
でもまあ、自然体でいられて、寄り添える人と寄り添うべきだと思います。
悠宇と麟の恋愛は、結果、短い春で終わってしまいますけどね。
そしてこの2人は、似たもの同士の組み合わせ。
だーかーらー、話が進みにくいんですけどね(笑
でもとりあえず、終了。
ああ、安心しましたε- ( ̄、 ̄A) フゥー
適当につけてあった旅行番組を見ていた時のことだった。
その場所は桜の名所でもあるというアナウンスが流れ、以前に収録してあったのだろう桜の時期の情景が流れた。
画面いっぱいに広がる、桜。
「あ・・・」
不意に、あの夜のことが思い出された。
それは、春の夜。
先輩に呼び出されて、家を抜け出した日。
結果、面倒に巻き込まれ・・・その後、わざと遠回りをして帰路についた。
それはちょうど、桜が満開の夜で・・・歩いていける範囲の場所に、桜の木が数本ある公園を知ったばかりだった。
それを思い出し、その公園に足を向けた。
公園に着くと、目当ての桜の木の下には先客がいた。
コンビに帰りらしいその先客は、左手にビニール袋。
くわえタバコで、夜桜を見上げていた。
白いパーカーに白いTシャツ、色の濃いデニムにスニーカー・・・年齢は変わらない位だろう。
街灯に照らされた髪の毛はかなり茶色く、その横顔も、一瞬外人かと見まごう程だった。
ふうん・・・。
嵐山にいた連中は「花より団子」ばかりだったけど、こうやって桜を愛でるヤツもいるんだと感心する。
邪魔、しないほうがいいかな。
柔らかな表情にそう思い、その場を後にした事を。
そしてそれが、疾風だったことを。
「なに?」
飲み終わったマグカップをキッチンへと持っていった疾風が、こちらに向かいながら問いかける。
「ちょっと、思い出したことがあって」
「?」
「大したことじゃないから」
そう言うと、疾風が眉根を寄せた。
かと言って、言える様なことじゃない。
「本当に?」
「本当に」
「・・・」
要領を得ない表情を作った疾風はソファを乗り越えて、ソファの背と私との間に座った。
「無理には聞かない」
「え?」
そして抵抗する間もなく、伸びてきた腕に絡め取られるように、抱きすくめられてしまった。
「神崎」
耳元で囁かれた後、疾風がすこし腕に力を込めたのが伝わってきた。
そして、その柔らかな腕に安堵を感じ、そっと、体を預けた。
来年は、その公園に案内してもらおう。
昼の桜でも、夜桜でも、どちらでもいい。
そして、桜色の空を見上げたい・・・疾風の隣で。
あとがき
始めた時は桜の時期でしたが、終わってみたらアジサイの時期ですね。
いやぁ・・・終わったよかったです。
やっぱり、書かないと分らないことっていっぱいある。
すっかり恋愛小説書きになってますが、恋愛って実は良くわからない。
でもまあ、自然体でいられて、寄り添える人と寄り添うべきだと思います。
悠宇と麟の恋愛は、結果、短い春で終わってしまいますけどね。
そしてこの2人は、似たもの同士の組み合わせ。
だーかーらー、話が進みにくいんですけどね(笑
でもとりあえず、終了。
ああ、安心しましたε- ( ̄、 ̄A) フゥー
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好みは夜桜v
こんにちは~。
うちのふたりなら、夜桜で(以下自粛)
じゃなくって、私の好みは夜桜かも。でも昼間の桜もいいですよね。
カメラを買ったので早く撮りに行きたい気持ちはあるんですが、天気と暇と体調がうまくマッチしなくて、まだ行かれません。
行きたいよぉ~~~。
うちのふたりなら、夜桜で(以下自粛)
じゃなくって、私の好みは夜桜かも。でも昼間の桜もいいですよね。
カメラを買ったので早く撮りに行きたい気持ちはあるんですが、天気と暇と体調がうまくマッチしなくて、まだ行かれません。
行きたいよぉ~~~。
Re:好みは夜桜v
紅梅さん、本当にいつもいつもいつもコメントありがとうございます。
>うちのふたりなら、夜桜で(以下自粛)
はっはっはっ・・・ええ、言わずとも分っておりますよ(笑
>じゃなくって、私の好みは夜桜かも。でも昼間の桜もいいですよね。
一粒で二度おいしいではありませんが、雰囲気が違うので、それぞれ楽しめますよね。
カメラ・・・ご無理されない程度に、頑張ってください。
>うちのふたりなら、夜桜で(以下自粛)
はっはっはっ・・・ええ、言わずとも分っておりますよ(笑
>じゃなくって、私の好みは夜桜かも。でも昼間の桜もいいですよね。
一粒で二度おいしいではありませんが、雰囲気が違うので、それぞれ楽しめますよね。
カメラ・・・ご無理されない程度に、頑張ってください。