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オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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 パークに入るとまずは記念撮影。


 まずはあの、花壇の前だ。
 「麟、シャッター押して」
 あっという間にデジカメを取り出した友里が、カメラを麟に渡し、悠宇と並ぶ。
 「はいはい」
 うんざりしつつも、麟は指示に従う。
 「へえ。花がミッキーの形になってんだ」
 「だから撮るんだよ」
 返事も、麟は投げやりだ。
 撮り終わって、すかさず麟の元に戻ってきた友里が、すぐ近くにいたキャストを捕まえた。
 「あんた達も一緒に写真撮るの!」
 無理矢理に男2人を引きずっていく。
 「俺はいいよ」
 「だめ!よくない!」
 麟の反論は、一喝された。
 「撮りますよ~」
 キャストに言われると、友里は悠宇を抱きしめてポーズをとる。
 ワンテンポ遅れて、悠宇も左右対称になるように同じ様に友里を抱きしめた。
 「すげぇノリ」
 一瞬、充槻は引いたが、これ幸いと悠宇の斜め後ろに立ったので、麟は渋々、友里の後ろに立つ。
 「はい、撮ります!」
 そして・・・女子2人はにこにこの写真が出来上がった。
 「麟、ノリ悪い」
 「うるせー」
 そのやりとりに、キャストが苦笑いする。

 場所をワールドバサールに移しながら、有里は言った。
 「男2人は、お腹空いたら申告してね。そーじゃないと、私たち遊び優先にするから」
 「?」
 充槻が麟の顔を見る。
 「なんで?」
 「こいつら、お茶とかで済ますから」
 「ああ」
 すぐさま成田は納得する。
 「最初はファストパス取りに行って、その後はお買い物」
 「買い物?」
 と、成田。
 「夕方は混むのよ、すっごく。だから、空いているうちに買って、ロッカーに入れるの」
 「へえ」
 充槻の反応は、いかにも初心者だ。
 「・・・というワケで、2人はここで留守番。私たちはパス、取りに行ってくるね」
 有里のウインクを合図に2人は仲良く手をつないで人ごみに消え、男2人はワールドバザールに置き去りにされた。
 「なんだかなぁ」
 思わず溜め息をつく。
 「月野、楽しそうだな」
 そう言う成田の表情は、少し穏やかだった。
 「性に合ってんだろ?」
 「あの2人、ムカツクくらい仲いいな」
 「今さらだろ」
 「まあな」
 「月野は水沢のオンナだと思ってた、とか言ってなかったか?」
 「言ったな、そー言えば」
 くすりと笑う。
 「で?TDLって何が楽しいんだ?」
 「・・・ガイドマップ見ろ」
 「へいへい」
 大人しく、充槻はマップを見始めた。
 ややあってから
 「そー言えば」
 と、マップに視線を落としたまま、充槻が口を開いた。
 「月野がさ」
 「?」
 「あれでも一応、TDLでデートしたいって人並みに憧れてるよ、ってさ」
 「・・・余計な事、言いやがって」
 まるで、自分が悪者になった気分だ。
 「ま。知恵つけたのは月野だろうけどさ、気にしてんだから大目に見てやれよ」
 「わかってるって」
 「水沢も楽しそうじゃねーか」
 「まあな」
 それは、麟も気づいていた。
 楽しそうにしている悠宇の表情を見るのは、もちろん2人とも、まんざらではない。
 「月野に感謝しとけ」
 「うるせーって」
 そう言うと、充槻はくすくすと笑った。

 そんなこんなで待っていると、2人は戻ってきた。
 有里は、更に上機嫌になっていた。
 「あのね!キャッスル前のショーのチケットが取れたの!」
 言いながら扇のように、4枚のチケットを広げた。
 「「?」」
 「このチケットがないと、ショーは遠くから立ち見なの」
 「へえ」
 成田は素直に返事をした。
 「悠宇がひいてくれたの!くじ運、いいみたい!」
 そう言われ、悠宇ははにかんだ。
 「あと、これはオマケね」
 と言って、有里は3センチくらいのプレートを2人に渡す。
 「「?」」
 「これはスーベニアメダルって言って、まあ、記念のプレートかな?」
 「「へえ」」
 確かに、何年の何月に来たのか、わかる様になっている。
 「ケースになるアルバムとかキーホルダーも売ってるわよ」
 「さすがだな」
 「まあ、商売だからな」
 「あ。麟、色気な~い」
 そう有里が言うと、悠宇はくすくすと笑った。
 「なので、今からはお買い物タイムで~す!」
 さっさとグランドエンポーリアムに入ろうとする有里を、充槻が捕まえた。
 「初心者の俺に対して、冷たくねーか?」
 「え?そうぉ?」
 きょとんとした表情で見る。
 「分ったわよ。付き合ってあげるから」
 そう言うと充槻に腕を絡め、半ば強引に引っ張っていく。
 「2人もついて来てね~」
 その様子を見て、悠宇と麟は思わず吹き出した。

 「あ。これかわい~」
 有里がすぐさま飛びついたのは、ストラップのコーナー。
 「すっげぇ数」
 充槻は呆然とする。
 「ねえ、悠宇。おそろいしよう。どれがいい?」
 有里の瞳はきらきらだ。
 「おい。なんでコレ、2つ入ってんだよ?」
 充槻が目をつけたのは、ペア・ストラップ。
 「そんなの決まってるでしょ」
 「じゃあ、水沢。俺と分けようぜ」
 「違うだろ」
 「ダメ~。私が悠宇とおそろいにするんだから、みつきは我慢しなさいよねぇ」
 「ひでー」
 「じゃあさ。革のストラップに名前入れるってのも、あるよ。違う場所にだけど。オリジナルが作れるの
 「へえ」
 それを聞いた悠宇が、説明の載っているガイドマップを差し出す。
 「ふ~ん」
 俺も、それを横から覗きみた。
 「あとで、みんなで作りにいこうか?」
 有里がにっこり笑った。

 そして次は、コンフェクショナリー。
 開園まもなくだと言うのに、ちらほらと人はいる。
 「あ。家にもひとつやふたつ、缶があったな」
 手近な缶を手に取りながら、充槻がつぶやく。
 「缶目当てで買ったりするからね」
 「へえ」
 「あ。これの絵が違う缶、あったな」
 とある缶を手に取った麟の横で、悠宇が苦笑いした。
 「前に来た時に買って、缶がかわいいから取ってある」
 「そんなもんよねぇ~」
 有里の言葉に合わせて、悠宇もにっこりと笑った。
 「で?どれがウマイ?」
 と、充槻が言うと、
 「どれでも」
 と、あっさり有里が言った。
 「はあ?」
 「お土産はね、買っていく事と缶が重要なの」
 「なんだソレ?」
 「あることが大切なの」
 「・・・よくわかんねー」
 「TDL行ったっていう、自慢やお土産話だけってつまんないでしょ?」
 「まあ」
 「お土産あげれば話も聞いてくれるし、証拠になるでしょう?」
 「まあ」
 「でしょ?」
 「自己満足、自己満足」
 思わず、麟は充槻に耳打ちした。
 「なんか・・・俺、素直に月野の言うこと聞いてていいのか?」
 眉根を寄せる。
 「あら、失礼ね」
 友里は頬を膨らませた。





途中のあとがき

 うん・・・我ながら、資料なしで書けるし(^。^;)

 個人的な話ですが、私はランドばかり行ってました。
 なので、地図は必要ありません・・・引率、しまくってます。
 最近はショーやパレード目当てで動くようになったので、マニアが場所取りする気持ちがよくわかるようになってきましたσ(^_^;)アセアセ...
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