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オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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 時計を見ながら、友里は一瞬考え込み、そして言った。
 「じゃ、ご飯にしましょ」
 さすがに今日1日一緒にいて、麟と充槻は友里に振り回されるのに慣れてきた。
 「夜のパレードまではまだ時間もあるし、男子はお腹空いたんでしょ?」
 「「まあ」」
 思わずハモる、麟と充槻だった。
 「じゃ、お夕飯に決定!」
 そう言ってにっこり笑い、悠宇の腕を組んだ友里の後を、男子2人は大人しくついて行った。



 入ったお店は、クリスタルパレス・レストラン・・・ブッフェ形式のお店だ。
 「この方が、男子2人は気楽でしょ?」
 運よくすんなり入店し、席に着くと友里がウインクをした。
 「じゃあ、腹ペコ男子から先にどうぞ~」
 ジェスチャー付きでそう言われ、麟の方は一瞬戸惑った。
 「「?」」
 それに対して、悠宇と友里は、まったく同じように首を傾げた。
 「俺たち、先でいいわけ?」
 「うん」
 友里はきょとんとした表情のまま、返した。
 「何ポイント稼いでんの、お前?」
 充槻の突っ込みに、麟はものすごく嫌そうな顔をした。
 「レディ・ファーストとか言うワケ?」
 「そーゆーんじゃねーって」
 「大丈夫よ、麟くん」
 「だと」
 充槻が麟の肩に手をぽん、と置き、さっさと食べ物を取りに行こうと、促した。
 「いってらっしゃい」
 軽く手を振る悠宇の姿を見てから、麟と充槻はそろって食べ物を取りに行った。
 そして、各々好きなものをお皿に乗せて帰ってくると、友里が何とも言えない顔をした。
 「あー。やっぱり、細くても男子なんだぁ」
 自分が持ってくるであろう量とは、当然とはいえ、明らかに違っていた。
 「育ち盛りの男子ですけど、なにか?」
 充槻が、わざとらしく言った。
 「育ち盛り?どこが?」
 「あーんなトコロや、そーんなトコロ」
 「脳ミソ以外だろ」
 「疾風・・・お前、そー突っ込むか?」
 「突っ込む」
 そのやり取りを見て、友里がけらけらと笑った。
 「結局、2人は仲いいのね」
 「「どこが!」」
 2重奏の反応で、友里はさらにけらけらと笑い、悠宇もくすくすと笑い始めた。

 そして、ここがTDLだとは思えないような様子で食事は進んでいき、悠宇だけが席を立った時の事だった。
 「麟くん、楽しい?」
 と、ふと、友里が聞いた。
 「え?あ・・・まあ」
 麟にしてみれば、なんで今このタイミングで聞かれたか分からず、一瞬きょとんとした表情を作った。
 「パレード見てる時、こっそり私とみつき、いなくなってあげるから」
 「は?」
 思わず固まる。
 「なんで?」
 「悠宇と2人っきりになりたくないの?」
 「・・・」
 「頃合いを見て悠宇の携帯にメールしてあげるから、ゲートで落ち合って帰宅」
 「・・・策士だな、お前」
 そう充槻が言うと、友里はうふふと笑った。
 「俺にサービスは?」
 「ありません」
 充槻の突っ込みに、友里はぴしゃりと言った。
 「2人の様子を遠巻きから眺めるっていう特典はあるけど」
 「それ、ストーカーだろ」
 「何か不満?」
 「いや。疾風を脅すいいネタになる」
 「をい!」
 「そーいうコトで、はい決定」
 ウインクを付けてそう言った友里を見て、麟は絶句した。
 「お前、何かリアクションすれば?」
 「ムリ」
 麟はがっくりとうなだれた。

 悠宇が戻ってくると、時間も時間なのでお店を後にして、友里の先導で適当な場所に陣取ってパレードを待った。
 もちろん初めてな充槻は、電飾で彩られたフロートを見て
 「へええ」
 と、しきりに感心していた。
 そして、自分たちの目の前を過ぎたフロートが半分になるかならないかの頃、肩を叩かれた気がして、麟は振り返った。
 ・・・すると、不敵な笑みを浮かべた充槻が、左手を上げて離れていくのがわかった。
 もちろん、右腕は友里にがっちりと抱え込まれていたが。
 本気だったのか・・・友里の提案自体と、本当にうつされた行動に、再び呆れた。
 「でも、まあ・・・」
 隣に立っている悠宇にそっと視線を送ると、楽しそうな表情でパレードを眺めているのが目に入る。
 「いっかぁ」
 悠宇には聞こえないような小声で、麟はぽつりとつぶやいた。

 パレードが終わると、悠宇が辺りをきょろきょろと見回し始めた。
 「友里と充槻は?」
 「?」
 わずかな間、すっかりその事を忘れきっていた麟は、自然と辺りを見回した。
 「はぐれた?」
 「そう、みたい・・・」
 悠宇は軽く目を丸くした。
 すると、どこかで見ているとしか思えない絶妙なタイミングで、悠宇の携帯が鳴った。
 「友里?」
 話を始めた悠宇の手を、麟はひっぱった。
 パレードを見終えてその場を離れる人の波にもまれ始めたからだった。
 人の邪魔にならない場所まで連れてくると、そっと両腕を腰にまわしたが、友里と話している悠宇は抵抗もせずに、腕の中におさまった。
 そして通話をやめてため息とともに携帯をしまうと、ようやっと麟へ視線を向けた。
 「友里、フロートを追いかけて移動しちゃったんだって。それで、ゲートで落ち合おう、って」
 「ふーん」
 よくもまた、悪知恵が働くもんだと、麟は思った。
 すると、軽く自分の胸が押し返された事に、麟は気付いた。
 「?」
 「あの・・・麟、離して」
 ようやっと我に返った悠宇が、自分の置かれた状況に気付き、小さな声で抗議してきたのだった。
 「友里が待ってる」
 「知ってる」
 「!」
 「悠宇」
 「なに?」
 「悠宇・・・」
 それが、顔をあげて欲しいと言ってるのだと気付いた悠宇は、そっと上目がちに視線を上げた。
 「楽しかった?」
 柔らかな表情で聞かれる。
 「麟・・・」
 「楽しかった?」
 「うん」
 こくりと頷いた。
 すると、再びうつむいた悠宇の耳元で、麟が囁いた。
 「今度、2人でシーに来ない?」
 「え?」
 「俺、シーはまだ行ってないから」
 あくまでも、麟の表情は柔らかい。
 「・・・うん」
 そう呟くと、悠宇はそっと、麟の胸に顔をうずめた。

 「あ、来た」
 ゲート、と一口に言っても、TDLのゲートは広い。
 その中でも、駅へのスロープに近い当たりで悠宇と麟を待っていた友里は、めざとく2人を見つけた。
 「あ。手ぇ繋いでやがる」
 「いーじゃん、それくらい」
 「まあ・・・いーモン見れたかも」
 「そう言うのぉ?」
 「言う」
 あっさりと充槻が言うと、友里はくすくす笑った。
 そして、友里をみつけた悠宇が麟の手を解いて駆け寄ってくると、友里は両手を広げて悠宇を迎えた。
 「ごめんね~!つい、フロート追いかけちゃったの~!」
 2人は思いっきり抱き合った。
 「大丈夫。ちゃんと連絡くれたし」
 「ありがとう」
 極上の笑みを浮かべると、もう1度友里は悠宇を抱きしめた。
 「女同士で抱き合うんじゃねーよ」
 「いつだったか、そのセリフ聞いた」
 「そうかよ」
 「じゃあ、ロッカーから荷物だし、帰ろ」
 友里の言葉に3人は頷き、ロッカーへ向ってから帰宅、となった。

 そうして、4人はTDLを後にした。





オマケ

 週が明けて、月曜日。
 カバンに入る程度の小さなお菓子を2つ購入していた麟は、暇を見て、それを優一と要に手渡した。
 優一は、ボーゼンとそのお菓子を眺めていた。
 「どーした?優一」
 「いや・・・うん・・・」
 「麟が、行くなんて思っていなかったって事じゃないか?」
 苦笑いしながら、要が優一の気持ちを代弁した。
 「神崎さんもこの週末にTDLに行ったって言ってたんだけど・・・」
 「「は?」」
 麟と要は、思わず固まった。
 「んな事、あるわけねーだろ!」
 「ちょっとそれは、あり得ないと思うぞ」
 麟の反論と、要の説得をうけた優一だった。





あとがき

 いや~、さすがに半年近く行ってないと、テンション下がるわね・・・って、言ってもいいですか?

 ランドは最近ご無沙汰です。
 シーにハマってます。
 そういうワケで、ぐりぐりしに行きます。
 フリマベーラ、今年で最後ですからね!

 またTDRネタが出た時には「好きね~」と思っていただければ(爆
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secret (管理人だけにコメントする。)
お久しぶりです
こんにちは。
先ほどはコメントをありがとうございました。
TDL、半年…ですか?うう、私は20年行っていないです。山ばっかり行っています…。

友達から恋人に発展していくときが、一番ドキドキしますね。今回の話を読んでいてそう思います。恋をしたら若返るかな。
紅梅 2010/06/03(Thu)10:45:26 編集
Re:お久しぶりです
紅梅様

本当にいつもいつもコメントありがとうございます。

>TDL、半年…ですか?うう、私は20年行っていないです。
いえいえ・・・私は周りからディズニニーオタク扱いされるほど行ってますので(汗
いつでもご案内しますよ(笑

>友達から恋人に発展していくときが、一番ドキドキしますね。今回の話を読んでいてそう思います。恋をしたら若返るかな。
そうですか?
恋ですかぁ・・・お互い、ある意味いつでもしているのでは?(o^-^o) ウフッ    
【2010/06/04 09:23】
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