オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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それから数日たった年の瀬のある日、室田と充槻の姿は居酒屋にあった。
それから数日たった年の瀬のある日、室田と充槻の姿は居酒屋にあった。
正確には、室田が充槻を誘って居酒屋にいたのだ。
注文したものがテーブルの上に並び、一方的に「お前のおごりな」と言った充槻に「勝手にしろよ」と室田は返した。
「で?なに?」
一応高校生だからというわけではなく、あまりお酒を好まない充槻は、ウーロン茶片手に声をかけた。
さっきから延々とあふれ続けるため息の山に、いい加減飽き飽きしてきていた。
「どーせ、水沢のことだろ?年上のくせに、恋愛のことで俺を呼び出すんじゃねーよ」
図星、である。
充槻は勘がいいというのか聡いタイプで、いちいち全部を説明することなく話すことができるため、室田には付き合いやすかった。
その聡さから、室田の水沢への気持ちはあっというまにバレてしまっていたのだったが。
帰りのことを考え注文したウーロン茶を一口飲むと、室田はやっと口を開いた。
「・・・この前、TDRに行ったんだ」
「へぇ」
口には出さなかったが「意外」と言いたいのが、手に取るように分かった。
「ああ・・・クリスマスだからと言って、誘ったんだろ。それで、雰囲気に乗じてホテルにでも連れ込んだんじゃねーの?」
「まあ、そんなことろだ」
「ふ〜ん」
その返事に、充槻は軽くショックを受ける。
水沢に手を出したいのは、充槻も同じだったからだった。
そして、それと同時に違和感を覚える。
「水沢って、松原と付き合ってんじゃねーのかよ?」
「いや・・・そういうわけじゃないらしい」
「はあ?」
「松原が一方的に押してるだけらしい。それを水沢は、イマイチ断りきれないらしい」
「は?」
一瞬とまどい「そうは思えない」という言葉を、飲み込む。
「まあ、松原も女の入れ替わり激しいから、アリかもな」
さらに一口、ウーロン茶を流し込む。
「それで?ヤったんだろ?」
「まあ・・・」
「あ、うまくいかなかったとか?」
「お前なぁ!」
さすがにその言葉には、反応がシビアだった。
「わりぃ、冗談だよ。そんで?」
「そんでって、その先を聞くかよお前は」
「気になるし」
にやりと笑う。
「お前なぁ」
今までとは違うため息をつく。
「それで、何が問題なんだよ」
「・・・相手が悪かった」
「あ?」
何の理由でそういう言葉がでてくるのか、説明がなさ過ぎてさっぱり分からなかった。
「そんなに場慣れしてたのか、水沢?」
「ちげーって」
「じゃあ?」
「水沢の家族とか一族って、知ってるか?」
「は?いや。あいつ話さねーし」
「やっぱり」
そう言うと、またため息をついた。
「今の苗字、神崎だろ?」
「確か」
「なんで気づかなかったかな、俺」
「で?」
「お前さ、さすがに葛城財閥くらい知ってるだろ?」
「・・・まあ」
日本屈指の大財閥、という程度であるが。
「あの財閥は、東西に分けて日本中にグループ会社があるんだけど、東日本のグループ会社をまとめてる一族があって、水沢はその一族の一人だ」
「は?」
充槻は固まった。
「簡単に言えば、その大財閥のお嬢様なんだよ」
「へ?」
充槻の頭の中では「水沢」と「大財閥のお嬢様」がどうやっても結びつかない。
「それでもって、水沢は将来日本の経済界のトップに名前を連ねるようなヤツなの」
「は?」
「俺のチームのスポンサーに葛城系の会社がいくつか入ってるんだよ」
「あ?」
「つまり、スポンサー会社を一声で潰せる様な立場なの、あいつは」
「・・・つまり、一言で言うとヤバイってことか」
水沢イコール大財閥のお嬢様は省き、説明が少ないながらもほぼ雰囲気から状況は察した。
「そういうことだ」
そう答えると、右手を額に当て、うつむいてしまった。
「スポンサー会社のさらその上のお嬢様に手ぇ出したってバレたら、ちょっとどころじゃすまないかもしれねー」
「何?クビ?」
「ないとは言えない」
「・・・マジかよ」
さすがの充槻も、その返事の言葉に詰まった。
レーサーなんて職業は、なりたいからと言って簡単になれるものじゃない。
それをクビとなれば、事は重要だった。
「けどさ、だからって水沢諦めんの?」
「諦めたくはない・・・」
まあそうだろうと、充槻は思った。
「で?どうすんの?」
「・・・正直、迷ってる」
「だろーな」
そう言って、充槻も口をつぐんだ。
途中のあとがき
いかがだったでしょうか?
もうこれで、本当に瞳はでてきません・・・ファンの人、いたらごめんなさいぃ。
悠宇の素性が一番のまともに書かれる話しって、悠宇が主役の話じゃないものでは、このcrosswise位だったりします。
そもそも、この話しが男性側から見た悠宇(勇樹)だから当たり前か(笑
正確には、室田が充槻を誘って居酒屋にいたのだ。
注文したものがテーブルの上に並び、一方的に「お前のおごりな」と言った充槻に「勝手にしろよ」と室田は返した。
「で?なに?」
一応高校生だからというわけではなく、あまりお酒を好まない充槻は、ウーロン茶片手に声をかけた。
さっきから延々とあふれ続けるため息の山に、いい加減飽き飽きしてきていた。
「どーせ、水沢のことだろ?年上のくせに、恋愛のことで俺を呼び出すんじゃねーよ」
図星、である。
充槻は勘がいいというのか聡いタイプで、いちいち全部を説明することなく話すことができるため、室田には付き合いやすかった。
その聡さから、室田の水沢への気持ちはあっというまにバレてしまっていたのだったが。
帰りのことを考え注文したウーロン茶を一口飲むと、室田はやっと口を開いた。
「・・・この前、TDRに行ったんだ」
「へぇ」
口には出さなかったが「意外」と言いたいのが、手に取るように分かった。
「ああ・・・クリスマスだからと言って、誘ったんだろ。それで、雰囲気に乗じてホテルにでも連れ込んだんじゃねーの?」
「まあ、そんなことろだ」
「ふ〜ん」
その返事に、充槻は軽くショックを受ける。
水沢に手を出したいのは、充槻も同じだったからだった。
そして、それと同時に違和感を覚える。
「水沢って、松原と付き合ってんじゃねーのかよ?」
「いや・・・そういうわけじゃないらしい」
「はあ?」
「松原が一方的に押してるだけらしい。それを水沢は、イマイチ断りきれないらしい」
「は?」
一瞬とまどい「そうは思えない」という言葉を、飲み込む。
「まあ、松原も女の入れ替わり激しいから、アリかもな」
さらに一口、ウーロン茶を流し込む。
「それで?ヤったんだろ?」
「まあ・・・」
「あ、うまくいかなかったとか?」
「お前なぁ!」
さすがにその言葉には、反応がシビアだった。
「わりぃ、冗談だよ。そんで?」
「そんでって、その先を聞くかよお前は」
「気になるし」
にやりと笑う。
「お前なぁ」
今までとは違うため息をつく。
「それで、何が問題なんだよ」
「・・・相手が悪かった」
「あ?」
何の理由でそういう言葉がでてくるのか、説明がなさ過ぎてさっぱり分からなかった。
「そんなに場慣れしてたのか、水沢?」
「ちげーって」
「じゃあ?」
「水沢の家族とか一族って、知ってるか?」
「は?いや。あいつ話さねーし」
「やっぱり」
そう言うと、またため息をついた。
「今の苗字、神崎だろ?」
「確か」
「なんで気づかなかったかな、俺」
「で?」
「お前さ、さすがに葛城財閥くらい知ってるだろ?」
「・・・まあ」
日本屈指の大財閥、という程度であるが。
「あの財閥は、東西に分けて日本中にグループ会社があるんだけど、東日本のグループ会社をまとめてる一族があって、水沢はその一族の一人だ」
「は?」
充槻は固まった。
「簡単に言えば、その大財閥のお嬢様なんだよ」
「へ?」
充槻の頭の中では「水沢」と「大財閥のお嬢様」がどうやっても結びつかない。
「それでもって、水沢は将来日本の経済界のトップに名前を連ねるようなヤツなの」
「は?」
「俺のチームのスポンサーに葛城系の会社がいくつか入ってるんだよ」
「あ?」
「つまり、スポンサー会社を一声で潰せる様な立場なの、あいつは」
「・・・つまり、一言で言うとヤバイってことか」
水沢イコール大財閥のお嬢様は省き、説明が少ないながらもほぼ雰囲気から状況は察した。
「そういうことだ」
そう答えると、右手を額に当て、うつむいてしまった。
「スポンサー会社のさらその上のお嬢様に手ぇ出したってバレたら、ちょっとどころじゃすまないかもしれねー」
「何?クビ?」
「ないとは言えない」
「・・・マジかよ」
さすがの充槻も、その返事の言葉に詰まった。
レーサーなんて職業は、なりたいからと言って簡単になれるものじゃない。
それをクビとなれば、事は重要だった。
「けどさ、だからって水沢諦めんの?」
「諦めたくはない・・・」
まあそうだろうと、充槻は思った。
「で?どうすんの?」
「・・・正直、迷ってる」
「だろーな」
そう言って、充槻も口をつぐんだ。
途中のあとがき
いかがだったでしょうか?
もうこれで、本当に瞳はでてきません・・・ファンの人、いたらごめんなさいぃ。
悠宇の素性が一番のまともに書かれる話しって、悠宇が主役の話じゃないものでは、このcrosswise位だったりします。
そもそも、この話しが男性側から見た悠宇(勇樹)だから当たり前か(笑
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