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オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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 正義に呼び出されて指定の場所に行くと、そこには正義と成田と悠宇がいた。

 正義に呼び出されて指定の場所に行くと、そこには正義と成田と悠宇がいた。
 充槻は、なぜか激しく不機嫌そうだった。
 口をきくはずもないと思っていた。
 が。
 麟が合流したとたん、充槻が口を開いた。
 「疾風!アレをどーにかしろ!」
 「はあ?」
 充槻は悠宇を指差していた。
 「アレって?」
 指を指された当の本人は、きょとんとした顔をしていた。
 そしてその横で、正義が苦笑いをしていた。
 「なんでオマエはそーなんだよ!」
 何を充槻がムキになっているのか、麟はさっぱり分らなかった。
 そして改めて、悠宇を見た。
 7分袖でカシュクールの柄物のチュニック、黒のサブリナパンツ、バックストラップの黒いサンダル。
 ローズとちょっと外出した帰りのために、オンナノコ仕様で、髪は結ばれていなかった。
 「?」
 眉根を寄せたところで、他人の気持ちなど分るはずもなく。
 「で?」
 「おーまーえーなー」
 「まーあ、まあまあまあまあ」
 絶妙のタイミングで、正義が充槻の肩を叩いた。
 「あー!水沢さんはそこで待ってくださいね!」
 振り向いてにっこり笑うと、肩に手を回したままで充槻を。
 さらに、空いた片手では麟の腕を掴んで、そのまま引っ張っていった。
 「なんだよ?」
 「まあまあまあ」
 話し声が悠宇に届かない距離ほど離れると、正義は2人を開放した。
 「成田もさー。気持ち分るけど、麟に分る様に説明しろよ」
 「そうかよ」
 明らかに、ふてくされる。
 「なんかさー。成田、水沢さんの洋服が気に入らないんだって」
 「はあ?」
 ただそれだけのことで怒鳴られるのは割に合わないと、瞬時に麟は思った。
 「そんで、ラチが空かないから呼んだわけ」
 正義が言う。
 「で?どこが、どのように?」
 「どーゆー神経してんだよ、オマエは!」
 「成田、それじゃ分らないって」
 「てめーのオンナだろ!」
 「だから、何だよ!」
 「あーもー!分るように言えよ!」
 「「?!」」
 逆ギレとも言える正義の言葉に、2人は一瞬固まった。
 「・・・だからさぁ」
 ため息をつき、なにやら考えた後、充槻は言った。
 「あの、水沢のがっつり胸の開いた服、どーにかしろ」
 「は?」
 「なんで?」
 正義までもが意味を汲み取らなかったことで、充槻は、冷たい視線を送った。
 「お前ら・・・」
 「えー。いいじゃん。俺、大歓迎」
 「だからだっ!つーの!」
 「?」
 改めて、麟は眉根を寄せた。
 「桜井。オマエさ、あの水沢のドコ見る?」
 「そりゃぁ・・・」
 にっこり笑う。
 「だろ?・・・で!オマエはイヤじゃねーのか!っつーの!」
 矛先が、麟に向く。
 「あ?」
 すっかりと思考が停止して麟は、まったく話についていってなかった。
 それを察してか、充槻の言いたい事が分ったのか、正義がぽつりと言った。
 「胸の開いた服を着て、他の男の見られてどうよ?」
 「そー言ってるじゃねーか」
 「・・・」
 さすがに『違う!』と正義は突っ込めなかった。
 「どーなんだよ?」
 「どうって・・・」
 正直なところ、麟は何も考えていなかった。
 「水沢は見世物じゃねーんだよ」
 「そうだけど」
 「おーまーえーなー!」
 話が全く平行線な2人のやり取りを見て、正義はくすくすと笑い始めた。
 「んだよ!」
 「いやぁ。だってさぁ」
 言いつつも、笑いは止まらない。
 「まるで、水沢さんが成田の彼女みたいだし」
 「「はあ?」」
 「成田ってさぁ、自分の彼女は俺らに紹介しないタイプ?」
 「は?」
 「そんなに、独占欲強いんだ?」
 「誰が!」
 必要以上に、充槻は食ってかかる。
 「露出の高い服を着るな、って水沢さんに言えば?」
 当たり前すぎる事をあっさり言われ、充槻は固まった。
 「俺に言う権利、ねーだろ」
 「それで麟?」
 「ったり前だ」
 「だってさ、麟」
 「・・・」
 正義が状況をまとめてくれた所で、麟はしばし考えた。
 「無理」
 あっさりと却下した麟に、充槻は即座に反応した。
 「はあ?!なんで!」
 「だって・・・」
 「なんだよ!」
 「言って聞くか気がしない」
 「「・・・」」」
 麟の言葉に、充槻と正義は顔を見合わせた。
 「・・・なんか、納得」
 と、正義がぽつり。
 「納得できるか!」
 「なら、お前言えよ」
 麟はうんざりした表情で言った。
 「言ってねぇんだろ?」
 「あー!一応、試す価値あるかも!」
 正義がぽん、と手を叩く。
 「それこそ、俺が言って聞くかよ?水沢が」
 「さー?」
 「やってみなきゃ、分んないかもよ?」
 その正義の言葉に、麟は頷いた。
 「テメーのオトコが言っても聞かないオンナがか?」
 「水沢さんだし」
 「お前は、どんだけなめられてんだよ?」
 充槻の視線が麟の方へ向くが、麟はそ知らぬ顔をした。
 「俺はどーでもいいし」
 「お前なぁ」
 また、充槻が苛立ち始めた。
 「まあまあまあ・・・とにかくさ、やってみれば?」
 そういう正義の顔は引きつっていた。

 そして3人は、悠宇の前へと戻った。
 「どーしたの?」
 「成田が話があるってさ」
 と麟が言うと、
 「なのに、疾風を呼んだの?」
 と、悠宇の視線が正義に向く。
 麟に連絡したのは、正義だったからだ。
 「あはは」
 正義は、笑って誤魔化した。
 「それで・・・何?充槻?」
 「その服やめろ」
 「?」
 思わず、ことりと首を傾げる。
 「そんなに胸の開いた服、着るんじゃねーよ」
 「・・・」
 悠宇は、自分の胸元に視線を注いだ。
 「まあ、寒いしね」
 その言葉に、充槻はがっくりうなだれた。
 「ちげーだろ」
 「ブラジャー選ぶし」
 「あ・・・ちなみにどんなヤツなんですか、今日?」
 正義が余計な事を突っ込んだ。
 「ノーコメント」
 「やっぱり?」
 更に、笑って誤魔化す。
 「次に着る時は、中にキャミ着るから」
 「そーしてください。めーわくです、俺が」
 麟が言うと、悠宇がまた首をかしげた。
 「っていうか、男3人も集まってから改めて言うこと?」
 「まあ、色々あるから」
 正義の苦笑いは、まだ止まらない。
 「ちなみに水沢さん」
 「?」
 「誰に『その服着るな』って言われたら、言うこと聞きます?」
 「言われなくても、次、こんな着方しないから」
 「「「?」」」
 「有里と一緒のときにお茶こぼされて、着替えに買っただけだから」
 「それでソレか?」
 充槻は不満そうな表情だ。
 「有里が『かわいーから、これにしなよー』って」
 「・・・そう言えば、家を出る時は白黒のチェックのブラウスだったよな?」
 「うん」
 「そーゆーことかぁ」
 再び、麟はうんざりした表情を作った。
 「月野さん、いい仕事しますね〜」
 「ふざけんな」
 充槻が正義をどついた。
 「あのオンナの使い方、間違えるなよ、疾風」
 「なんで俺?!」

 そしてその頃、有里は自宅でまったりとしていた。
 「うふふ。さて、今頃どうなってるのかなv」
 その表情は、もちろん、満面の笑みだった。





あとがき

 これは、とある通販雑誌を見ていて思いついたストーリー。
 悠宇が来ていたがっつり胸の開いたチュニックが載っていまして・・・かわいいなぁ、と思って。
 でも、胸開きすぎだよね?って思って・・・以下、妄想(笑

 あのチュニック着た悠宇を見て、どういう反応をするだろう?って。
 ここで、性格の違いとかでるんですよね。
 正義は、素直に喜んでうきうきになる。
 麟は、その服見たことないから新しく買ったな、と思うくらい。
 麟は自分の服も、そんなにこだわってません・・・たまに、充槻に「だせー」とか言われたりする。
 充槻は、自分の好みや似合うものをしっかり把握してる。
 惚れている悠宇を正義と供にあれこれ誘って目の保養をしているわりには、本当は不特定多数の他人に見せたくないというワガママがある。
 そんなカンジ。
 仕掛け人が有里、ってことで『ああ、なるほどね』って思っていただければ幸いです。
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無題
こんばんは。
妄想の世界にはまっていますねぇ^^
確かに男の人は独占欲が強いかもしれません。俺のオンナっていう感じですね。
petit devil。小悪魔。なるほどなタイトルです。
紅梅 2009/04/07(Tue)18:30:55 編集
Re:無題
いつもいつもいつも・・・以下エンドレスに、コメントありがとうございます。

>俺のオンナっていう感じですね。
今回のは、本来「俺のオンナ」の態度をとるべき人がとってないとゆー笑いもありますが(汗

>petit devil。小悪魔。なるほどなタイトルです。
えへへ・・・なるほどと思っていただけて幸いです。
でも、仏語+英語で間違った言葉ですけどね
【2009/04/08 09:46】
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