王道 3

　買い物をしているうちに、なんだかんだと時間が過ぎていったので、キャッスル前のショーを見るために席に着く。

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　それなりに天気がよく気温もあるため、ドリンクとポップコーンを買っていった。
　席の順は、充槻・有里・悠宇・麟となった。
　「あ。そうそう」
　座ってから、悠宇がカバンの中をごそごそと探った。
　「これ、あげる」
　充槻と麟の２人に、先ほど買った物の中からあるものを手渡した。
　「なんだよ、コレ」
　それは、ミッキーマウスをかたどった物。
　「これは、さっきのメダルを入れケースよ」
　有里がにこりと笑う。
　「なくしやすいでしょ、そのままだと」
　悠宇の言葉に、２人はものすごく納得した。

　そして定刻通りにショーは始まり、終わると有里の表情がさらににこにこしていた。
　「楽しかったね～。ありがとね、悠宇」
　言いながら、悠宇をきゅっと抱きしめた。
　キャッスル前の広場を離れながら、有里が男２人の顔を見た。
　「お腹すいた？」
　「多少」
　充槻が言うと、麟も軽く頷いた。
　「やっぱり男子は違うのねぇ」
　と、有里が小首をかしげる。
　「お前、アニキいるだろ？」
　充槻が突っ込む。
　「アニキは寮だから、殆ど一緒にいないから、男子の生態なんて分りません」
　「よく言うぜ」
　そんな２人の様子を見て、悠宇がくすりと笑った。
　そして手近なお店に入って、時間とは無関係に昼食となった。

　「ん～。ま、こんなもんかな？」
　昼食を終えると、日陰で、それでも何故か通路の前に立ち止まると、友里はバッグの中からレジャーシートを取り出した。
　「「？」」
　男２人は顔を見合わせる。
　「はい、座って座って」
　レジャーシートのほぼ真ん中に座った友里が、手で合図する。
　悠宇も、当たり前のように友里の横に座った。
　「ここで、パレード待ち」
　「「パレード待ち？」」
　思わずハモる。
　「ここ、パレードルートだから、待つの」
　「？」
　初心者な充槻は、まったく事情が飲み込めない。
　「・・・場所取り？」
　「うん！」
　麟の一言に、友里は笑顔で返したと同時、充槻からは
　「は？」
　という疑問符があがった。
　すると悠宇が、助け舟をだした。
　「あのね、ここの前をパレードが通るの」
　「で？」
　「見やすいように、場所取り」
　「はあ」
　絶妙に、要領の得ていない表情をする充槻。
　「いい場所でパレード見たいんだと」
　「はあ、左様で」
　なぜそんなことをするのか、分からないらしい。
　「友里、飲み物買ってこようか？」
　パレードが始まるまで、まだ時間はある。
　「頼める？」
　「じゃ、留守番してて」
　「うん！」
　「充槻、付き合ってくれる？」
　「あ？まあ」
　イマイチ納得いかないものの、充槻は悠宇について行った。
　「なんか、友里はミニーが好きなんだって」
　「はあ」
　「パレードも、できるだけ近くでいい場所で、ミニーが見たいんだって」
　「ふーん」
　なんとく、納得はしたようだ。
　「ところで」
　「ん？」
　「なんで俺を連れ出したワケ？」
　意味ありげな表情を作る。
　「・・・なんとなく」
　顔色を変えずに言った悠宇を見て、充槻は心の中でため息をついた。
　色っぽい返事など、返ってくる訳はなかった。
　「どっちかって言うと、麟との方が、友里は気が楽だとも思ったし」
　「かもな」
　「ついでだから、言ってた皮のストラップ、作りに行く？」
　軽く悠宇が、微笑みかける。
　「まぢで？」
　「近くだし、待ってるの退屈だし・・・じゃあ、友里の希望聞くね」
　そう言って携帯を取り出し、その旨を伝え、友里の希望を聞きだす様子は、慣れている雰囲気だった。
　通話を終えて携帯をしまうと、充槻に顔を向けた。
　「友里の希望聞いた。そのお店に行ってから、飲み物買って帰る」
　「了解・・・で？その店、どこ？」
　「確か、あっち」
　「はいよ」
　悠宇が指差したほうに一歩踏み出しながら、自然に充槻は悠宇の手を握った。
　「・・・充槻？」
　「あ？」
　なんでもない表情を浮かべる充槻に、悠宇はあえて反論したり手を振り解く気が失せてしまった。
　「ストラップ作る？」
　「見て考える」
　「そう？」
　「それよりさぁ、この甘ったるい匂い、ナニ？」
　「ポップコーンでしょ、キャラメルの」
　「甘そう」
　思わず充槻は顔をしかめた。





途中のあとがき

　年を越してまで、あにやってんでしょうかね？私。
　２０１０年最初の更新が、コレです・・・いいのよ、いいの！ＴＤＲ好きだし。
　書き途中のを止めて別のを載せるのも、気がひけますし。

　なんか最近、悠宇がサラ・コナー クロニクルズのキャメロンに見えてきた。
　天然ボケも加速している気がする・・・でもいいや(-_-;ウーン