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オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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 「は~い!じゃあ、次はここで~す」


 友里の先導で連れてこれらたのは、ホーンテッド・マンション。
 「で?ここは?」
 大人しくついてきているが、充槻は説明を求めた。
 「ん~。簡単に言えば、おばけ屋敷」
 「はあ」
 充槻としては「なんでお化け屋敷?」という気持ちだった。
 「結構おもしろいのよ」
 友里はウインクを付けて返した。
 そしていざ、ライドに乗る時になって、友里はさりげなく悠宇と麟を一緒にさせた。
 「つーかさぁ」
 一緒に乗ることになった充槻は、うんざりといった口調で言った。
 「お前さぁ、変にあの2人を一緒にするな」
 「え?そうお?」
 にっこり笑いつつ、首を傾げる。
 「くっつけるならくっつけるで、もっと徹底するとかさぁ」
 「でも、私だって悠宇と一緒がいい時もあるんだもん」
 「ワガママなヤツ」
 「それに、ここで悠宇とみつきは一緒にできないからね」
 「は?」
 「薄暗いし、悠宇が襲われる」
 「あのなぁ・・・」
 充槻は、今までになく大きなため息をついた。
 「信用されてねーな」
 「そんなことないわよ。信用してるから、誘ったんですから」
 「頼むから、日本語喋れ」
 2人のやり取りは、TDLにいる雰囲気もへったくれもない・・・充槻は充槻なりにアトラクションを見てはいるが、友里との話を平然と続けていた。
 「で?みつきはそれなりに楽しんでるわけ?」
 「いちおー」
 「んー。それなら私は満足」
 言いながら、友里は充槻に寄りかかった。
 ほんの一瞬考えてから、充槻は友里の肩に腕をまわした。
 「お前に誘われなかったら、一生来なかったろうから、感謝してます」
 「ほんとにぃ?」
 「大まぢ」
 お互いに軽く笑みを浮かべて顔を見合わせる様子は、まるで恋人同士の様だった。

 そして、友里のせいで無理矢理一緒になった悠宇と麟は・・・。
 「そう言えば。前に来たことあるって、誰と来たの?」
 「要と優一」
 ・・・と、クラスの女子、というのは咄嗟に言わないことにした。
 麟としては、要と優一にはめられてグループデート風にさせられての事だったからだ。
 悠宇は悠宇で、その返事を聞いて素直に「ありそう」と思った。
 「そう言えばさ」
 「?」
 「なんで俺の分もストラップ作ったの?」
 「え?」
 自分の名前などオーダーができるストラップを、麟は作るとは言ってなかったにも拘らず、悠宇が作ってきたのだった。
 結果的には、4人それぞれがお揃いのような感じになっていたのだ。
 ミニーの飾りがついて名前の彫られた、悠宇と友里のストラップ。
 ミッキーの飾りがついて名前の彫られた、麟と充槻のストラップ。
 それぞれがそれぞれに、お揃いだったのだ。
 「ごめん、勝手に」
 「いや。いいんだけど」
 こんな場所にでも来て、そういう状態にでもならなければ、2人は『お揃い』などする考えもなかった。
 「ありがとう」
 「え?」
 まさか、感謝の言葉を言われるとは思ってなかった悠宇は、ここがどこかを忘れるほど茫然とした。
 そんな表情を見て、麟はくすりと笑った。
 「ありがとう」
 もう一度言うと、そっと悠宇の手を握った。

 そのままの雰囲気を継承してか、まるでWデートの様相のまま、4人はなぜかシンデレラ城に向かった。
 「今、なんかあったっけ?」
 麟が友里に聞くと、
 「充槻にネタを提供してあげようと思って」
 と、返ってきた。
 「俺に?」
 「そう」
 こくりと頷くと、シンデレラ城の中にあるショップへと、充槻を引っ張って行った。
 「これこれ」
 友里は指をさす。
 「?」
 それは、ガラスのショーケースの中にある、ミニチュアのシンデレラ城。
 「これが?」
 「値段を見てみましょう」
 友里がにっこりと笑うと、充槻はひっそりと置いてある値段を見た。
 「あ?」
 思わず充槻が固まったのを見て、興味無さそうにしていた麟も、さすがに覗き込んだ。
 「え?」
 2人の様子に、友里は得意げな表情を作り、悠宇はくすくすと笑い始めた。
 「これ、売れるの?」
 麟のほうが立ち直りが早く、友里に聞く。
 「1コ売れたって」
 「買ったやつ、いるんだ」
 「つーか、お前、よく平然としてるな」
 「まあ・・・」
 あっけらかんと言った麟の態度が気に食わなかったらしく、
 「ムカツク」
 と言って、麟を睨んだ。

 次のアトラクションへと向かった。
 「で?ここは何?」
 さっぱり分からない充槻が、有里に聞いた。
 「これは、くまのプーさんのアトラクション」
 「くまのプーさん?」
 なんとなく、顔が引きつった。
 「なんで、俺がくまのプーさんなんかに」
 「えー。でもこれ、人気あるのよぉ」
 「そーゆー問題かよ」
 麟が突っ込む。
 「嫌ならいいわよ。外で留守番すれば?」
 有里の冷たさは、いつも以上だ。
 「いいぜ、疾風。俺が水沢みててやるから」
 「・・・」
 いつものことだが、完全に敗北である。
 順番が来ると、またまた有里が仕切って、今度は女同志・男同士という組み合わせで乗る。
 理由は簡単だ・・・ビークルは2列で、前の席のほうが狭いからだ。
 「げ~。はちみつ臭い」
 「文句言わない!」
 有里と充槻のやり取りは、相変わらずである。
 終わって出でくると、麟が何かを思いつめたような表情をしていた。
 「どーしたの?」
 悠宇が声をかけると、友里と充槻も麟を見た。
 「いや・・・不思議だと思ってさ」
 「何が?」
 友里が首を傾げると同時に、悠宇も首を傾げた。
 「今のさ、レールとかないいのに、どーやって動いてんだろ?と思って」
 「麟くん・・・」
 友里が、呆れた顔を向けた。
 「夢の国に来て、そんなこと言っちゃだめ。ミッキー・マジックなんだから」
 「お前、空気読めよ」
 「お前にそんなこと言われたかないね!」
 そんな様子を見て、悠宇はくすくすと笑った。





途中のあとがき

 をを!終わりが見えてきましたぞ( ̄Д ̄)ノ オウッ

 あ・・・なんだか、ランドも行きたくなってきましたよ。
 トゥーンでグリグリしたいかも・・・なんか、友里のアルバムには、グリの写真とかありそうです。
 無理矢理巻き込まれて、苦笑いの悠宇と共に(笑

 あと1話で終わらせますので、どうぞお付き合いくださいませv
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