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オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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 「まだちょっと、時間あるかな?」


 イッツ・ア・スモール・ワールドを終えて出てきて時計を見てから、友里が首をかしげた。
 TDR慣れしている友里がほぼ全てを決めており、FPの管理もやっていた。
 「じゃあ、無駄に休憩」
 「「は?」」
 麟と充槻が声をそろえた。
 「あと最低2つはアトラクションに乗りたいんだけど、FPの時間がまだなの」
 「FP?」
 「うん・・・えーと、整理券」
 充槻の疑問に、さらりと友里は答えた。
 「それがあると、優先的に乗れるの」
 悠宇が助け舟を出す。
 「へえ」
 「というわけで、休憩!」
 ちょうど運良く目の前に4人座れるベンチがあり、友里はさっと座った。
 「あ・・・じゃあ私、ストラップ取ってくる」
 パレードの前に頼んだストラップは、すでにできている時間だ。
 悠宇はそれを思い出し、バッグの中から引換券を取りだした。
 「今度は私、行ってくるよ」
 引換券を受け取るべく、友里は手を出した。
 「え・・・」
 「大丈夫。行ってくるから」
 「でも・・・」
 悠宇は、パレード待ちの間にうたた寝をしてしまった友里の体調を思った。
 「平気平気!」
 その思いを知ってから知らないでか、にっこり笑うと、悠宇の手からほぼ無理矢理に引換券を手に取った。
 「みつき、行こう!2人は留守番」
 「え?俺?」
 予想をしなかった展開に慌てた充槻の左腕を胸の前に抱え込むと、友里は充槻を引っ張って行った。
 「大丈夫かな?」
 「平気だろ」
 ため息をつきながら麟は返し、先にベンチに座ると悠宇の腕を引っ張った。
 「これ以上反論しても、無理だろ?」
 「そうだけど」
 心配そうな表情で友里と充槻の背中を見ながら、悠宇は麟の隣に腰掛けた。
 「大丈夫だって」
 そう言うと、麟は2・3回悠宇の髪をなぜてから、そっと肩を引き寄せた。

 友里と充槻の方はというと・・・。
 「月野、腕離せ」
 「いいじゃない、別に」
 友里にはまったく悪気はなく、さらりと言うのを見て、充槻は軽くため息をついた。
 「つーか。胸の谷間に腕を押さえ込むな」
 充槻がそう言うと、友里はぴたりと止まった。
 「えっち」
 「逆セクハラで訴えてやろうか、お前」
 冗談半分で返すと、少し腕をゆるめ・・・普通に腕を組んだ状態になった。
 「この友里様と腕組めるなんて光栄です、とか言ってみたら?」
 「んな長い台詞、言えるか」
 「どーせ、悠宇と腕組みたいんでしょ?」
 「とーぜん」
 軽く笑みを浮かべると、友里は軽く頬を膨らませた。
 「いぢわるね」
 「優しくする気、ねーし」
 「でしょうね」
 そういうと、友里はくすりと笑った。

 ストラップを受け取った友里と充槻が戻ってくると、遠目からも2人がベンチに座って話している様子が見えた。
 さり気なく、麟が悠宇の肩に手をまわしていることには、2人は触れずにいた。
 「あーいう雰囲気の悠宇見ると、安心する」
 友里は足を止め、ぽつりと言った。
 「あ?」
 「悠宇と初めて会った時、あの子、ああいう柔らかい雰囲気なんか微塵もなかったんだよね」
 「・・・」
 不意に友里が真剣な表情を作ったことで、充槻はなんと返していいのか、分からなくなった。
 「女子校だから浮いてた。アニキとそっくりだった、雰囲気」
 「月野に?」
 もちろんそれは、友里の兄の事だ。
 「中1の5月の連休にね、無理矢理映画に誘ったの。そしたら悠宇、どんなカッコして来たと思う?」
 「さあ?」
 「Tシャツにパーカーにジーンズにスニーカー。全部、男物で黒系」
 それはアリだろう、と充槻は思った。
 「それで、タバコ吸いながらハチ公前で待ってたの!よく補導されなかったわよね」
 「確かに」
 「今思えば、水沢 勇樹だったからなんだろうね」
 「今でも、あれは水沢 勇樹だって」
 「でも、今は神崎 悠宇だから。特に、麟くんの前じゃね」
 友里の言いたいことを、充槻は雰囲気で感じ取った。
 「ってコトは、疾風の腕に全部かかってるってワケかよ?」
 「どうかな?」
 「疾風、ムカつく」
 「じゃあ、猛アタックでもしてみれば?麟くん蹴り倒して」
 「あーソレ、いいな」
 充槻が言うと、友里はくすくすと笑い始めた。
 「そんな気、ないくせに」
 「ある」
 「うそばっかり。その気があるなら、今、悠宇の隣にいるのはみつきでしょ?」
 その言葉を聞いて、充槻は呆気にとられた。
 確かに、友里の言うとおりだ。
 「でも、かわいくなってく悠宇を側で見れる楽しみはあるよね?」
 「まあ・・・」
 「やっぱり、女の子は恋しないとね」
 にっこり笑うと、友里はするりと腕を解き、
 「お待たせ~」
 と言いながら、軽く走りながら2人の方へ向かっていった。
 「あのオンナも不器用だな」
 充槻は軽くため息をついた。





途中のあとがき

 そこそここの話が辛くなってきたこの頃・・・だって、最近TDSばっかりなんですもの。
 いや・・・お付き合いくださっている方のほうが、辛いかも(汗
 一応、次くらいで終わりが見えてくるかと思います。

 このお話は4月頃の土日設定になってますが、その頃、どのくらいの混雑なんですかね?
 平日に会社休んでいくっていうのが定番なので、混雑具合がよくわかりません(滝汗
 一応、自分が行ける範囲で最小限のアトラクションしか乗せませんが、混雑時はどーなることやら?
 まあ、目当てがアトラクションとかではなく、このメンツで遊ぶことにありますからね。

 あと1・2話お付き合いいただければ幸いです。
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平日
こんにちは♪
変則勤務なので、平日休みはしょっちゅうあります。ふらっとどこかに出かけるのはとてもいいのですが、人と出かけることがなかなかできませんね・・。
紅梅 2010/02/18(Thu)11:17:00 編集
Re:平日
紅梅様
本当に、いつもいつもコメントありがとうございます。

>人と出かけることがなかなかできませんね・・。
わかります・・・私は以前は販売だったため、デスクワークのカレンダーとおりにお休みの友達となかなか会えませんでした。
でも逆に、混雑時を避けるっているメリットもありますけどね。
今なら、ディズニーは空いているでしょう(笑
【2010/02/18 17:26】
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