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オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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 都立高校は、私立に比べるとあたりまえのように学区が狭い。

 都立高校は、私立に比べるとあたりまえのように学区が狭い。
見知った顔もあれば、当然、知りすぎた顔もある。
麟の場合
「陰謀かよ?」
と思わず愚痴りたくなるようなメンバーが、同じクラスにいた。
連続4年間一緒になる、林 優一と速水 要。
林 優一は、明るくよく笑うムードメーカータイプの性格で、人懐こい。
その為もあって中1の時、初対面の麟に向かって遠慮のない一言を放った。
「なんで茶髪なの?不良?」
その場にいた、事情を知ってる麟と同じ小学校出身者が凍った事は、忘れたくても忘れられるものではなかった。
そんな遠慮のない優一の口を塞いだのが、速水 要だった。
歳の離れた妹のいる要は、その為か生まれ持った性分か、しっかりとしたお兄ちゃんキャラ的性格の持ち主。
小学校の頃から名前順の関係で、気づくと何故か優一と一緒にいてしまったのだ。
「ごめん。悪気はないから」
優一の変わりに謝った要を見て、麟はくすくすと笑い始めた。
「別にいいよ。慣れてるから」
それから程なく3人の間でお互いに何かが芽生え、「腐れ縁」とまで他人から言われる程に仲の良い状態が続いた。
そして、
「また、3人一緒なの?」
と、笑いながら声をかけてきたのは、中3の時に一緒だった鎌田 奈央。
陸上部に所属していた為に若干体育会系のノリはあるものの、しっかりとした長女タイプそのままの性格で、誰からも好かれていた。

高校生活が始まり、だんだんとクラスの雰囲気が出来上がっていく中、奈央はクラスに同じ中学からの女子がいないことと、名前の順から、そのすぐ後ろにいた神崎 悠宇と一緒にいることが多くなっていった。
優一がこのクラスの女子で目をつけたのが、悠宇だった。
もちろんその理由には、入学して答辞をしたことで、印象が強かったこともある。
同じ中学の出身者が数人いるはずだがそんな素振りはなく、初めてのHRでの自己紹介の時には出身中を隠した。
担任にそのことを突っ込まれると、
「最近、こっちに引越してきたので」
と、上手く誤魔化していたが。
そこそこ整った顔立ちに、あっさりとした対応、どこか大人びた雰囲気。
一言で形容するなら、クールビューティーなタイプだった。
ある意味「品定め」でもある合同体育の時間で分かった彼女のスタイルのよさに、数人の男子が目を留めていた。
もちろん、優一も例外ではなかったが。
クラスにそこそこ溶け込んではいるものの、周りにある空気が他の女子とは違い、なにかが麟の目の端にひっかかる存在だった。
とにかくただ一人、浮いている存在だった。

5月の連休の間にあったホームルームの時間で、麟のいるクラスは初めての席替えが行われた。
「公平に」ということで、連休中に担任の片桐が作ってきたくじでのくじ引きが行われた。
「お前どこ?」
優一が麟の手元をのぞき込んだ。
「いいな〜、1番後ろじゃん」
麟の引いた番号は、1番後ろの1番窓際だった。
「俺、そのふたつ隣」
番号を2人の方に見せながら、要がにっこり笑った。
「そーゆーお前はどこなんだよ」
「二人の斜め前」
ケロッとした顔で優一が答える。
「はぁ?なんでそんなに近いんだよ、お前ら」
「「腐れ縁」」
その答えは、二重奏だった。
「俺の周りの女子って、誰だろ?」
優一の頭の中は、すぐにそちらの方に向いた。
ちょうどうまく男女半々のため、今更ながら男女交互に座るように配置された座席。
やはり、自分の周囲の異性は気になるというもの。
全員がくじをひき、ほんの少しの時間が与えられた後、片桐の号令で移動がはじまる。
比較的いままで席と近かった為、さっさと移動を終えると優一はうきうきと自分の両隣と後ろの女子を気にして待っていた。
と・・・麟と要の間の席にカバンが置かれる。
「神崎さん!」
真後ろを向いていた優一の声のトーンが、少し上がった。
奈央と一緒にいるときに声をかけたことがあるせいか、悠宇は優一に向かって軽く笑顔を作った。
「神崎さん、ここの席?」
「うん」
言いながら、するりと席に着いた。
「じゃあ。お近づきの記念に、携帯の番号とメアド教えて?俺のも教えるから」
「はい?」
悪びれずに言う優一に、悠宇は固まった。
「何、言ってんの!」
声と同時に、丸めたノートで軽く優一の頭が叩かれる。
「いてーなー」
慌てて振り返ると、そこには奈央が立っていた。
「神崎さん。こんなヤツに教えちゃダメだからね」
両手を腰に当てて言う奈央を見て、悠宇がくすりと笑った。
「なんだよー鎌田。俺の恋路を邪魔するつもりかよー」
「私の番号、代わりに教えてあげるわよ?」
「お前の番号なんか知ってるよ!」
優一が即答する。
「ってか、鎌田!なんでここにいんだよ!」
「私の席だから」
そう言うと、丸めていたノートを優一の左側で麟の前の席に、ぽいっと置いた。
「なんで鎌田まで、席が近いんだよ?」
思わず、麟は不満を口にした。
「そんなの決まってるじゃない」
奈央が、意味ありげな表情を浮かべる。
「「「腐れ縁」」」
その声が三重奏だったことに、麟はがっくりと肩を落とした。
そして悠宇はその様子を見て、くすくすと笑った。





途中のあとがき

なんか・・・この話を書くためのコツが分った気がした。
それは、サブタイトル!
サブタイトルを付けるだけで、創作意欲が上がる!
って、どーゆーコトなんでしょうね?

ちなみに、制服の設定ですが。
紺ブレ風ブレザー(でもちょっと安っぽい色で、ボタンは金にあらず)
パンツ&スカートはグレーとは言っても、よく見ると白黒の千鳥かチェックかな?
女子はボックスプリーツ、8枚でひだを寄せたい。
男子はネクタイで、女子はネクタイかリボン。
着こなし的には、
優一:Yシャツのボタン2個開き、ネクタイゆるめ、インの丸首Tシャツが見え、ちょっと腰履き、ブレザーのボタンは開けてる
要:Yシャツのボタン1個開き、ネクタイちょっとゆるめ、ブレザーのボタンは場合によって開けたり閉めたり
麟:Yシャツのボタン2個開き、ネクタイしてるだけのゆるゆる、Yシャツ出し、ブレザーのボタンは常に開けてる
悠宇:ネクタイだけどゆるめ、または、ネクタイをリボン結び(芯は抜いていると思われる)
奈央:リボン
あ〜画力があったら、制服のイラストが書きたいかもo(´^`)o ウー
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