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オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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 そんな、予想外なことがあった、夏休み。

 そんな、予想外なことがあった、夏休み。
そのうちの1日には、正義との時間つぶしも含まれていた。
「で。俺が聞きたいことは、分ってるよな?」
麟が睨みつけると、正義は苦笑いした。
「何を説明すれば・・・」
「全部」
「あはは」
問答無用とばかりに言った麟の表情を見て、正義はさらに冷や汗を流した。
そして、要点を上手く掻い摘んで、話を始めた。

それによると、入学早々にいちゃもんをつけてきた先輩を片付けたことで、正義は大戸高の連中の標的となった。
それにより追いかけられていた所を、鷹ノ台の酒井田に助けれらた。
大戸高の連中に追いかけられていた事により、酒井田の中学の時の後輩でもあり、大戸高の成田が呼び出され、繋がりができた。
そして、その時に酒井田と一緒にいて助けてくれた水沢が、思いもしなかった人物だった。
「なんで?」
「いやぁ、それがさぁ」
あの場にいた水沢と松原は、横浜の私立嵐山学園の生徒で、横浜では知られすぎた人物だった。
特に水沢は「ケンカ、百戦錬磨のツワモノ」と言われる程の負けなしで、お陰で嵐山が幅を利かせている、という。
「あの、華奢なやつが?」
「そう」
こくりと頷く。
「まあ、ウワサには尾ひれが付くものだけど」
そうは言うものの。
「で?実際に合ってみて、桜井はどう思ったわけ?」
「んー。正直、びっくり」
だろうな、と麟は心の中で思った。
「でも、ケンカが強いのはマジな話で。殴られたところ、見たことないし」
「へえ」
「松原が言うには、それでも手加減してるってさ」
「松原?」
あの場にいたのは、覚えている。
「水沢の先輩だよ。今、高3」
「ふーん」
その水沢が、実は春にこの辺りに引越してきており、嵐山を辞めていた、と。
「なんで?」
「さあ?」
成田も酒井田も水沢がこっちに引越してきたことで、嵐山の連中と知りあったのが、今年の春の事だったとも。
正義は、酒井田、成田と経由して嵐山の連中と親しくなり、
「夏休みに海に行こうぜ」
という松原の申し出に乗った。
その連絡のために、あの日は松原がわざわざ出向いてきたのだった。
「海?!・・・で、行ったのか?」
「うん」
「何人で?」
「えーと」
1本、また1本と、指を折る。
「8人」
その言葉に、麟は怪訝な表情を作った。
「海、ねぇ」
麟にとって、海が魅惑的でない言葉であることを知っている正義は、苦笑いした。
麟は麟で、社交性が高い・・・というか、交際範囲の広い正義のことを考えれば、断らない理由も分っていた。
「あ!でも、女の子も一緒だったし」
「?」
「松原たちの後輩の妹だけど。すごい美人」
「・・・いや、そーゆー問題じゃないだろ?」
「あ?違った?」
麟は思わず、がっくりと肩を落とした。
「あのなぁ」
「俺にとっては、いろいろな意味で有意義だったし」
その表情に、曇りはない。
「俺たちみたいなのって、誤解されがちじゃん。だから、ちゃんと付き合ってみないと分らないし」
「まあな」
確かにそれは、事実。
「水沢さんも成田もそうだけど、やりたくてケンカしてきたわけじゃないみたいだし。普通に付き合う分には、いい奴らばっかりだし」
「普通に、ね」
「喧嘩っ早いのは松原くらいで、水沢さんと成田は優しいし、すぐに助けてくれるし」
「助けられて、どーするよ?」
「まあ・・・そうなんだけどさぁ」
へらへらと笑う正義の様子を見て、麟はくすりと笑った。
正義が言うなら、そうなんだろうと。
「で?水沢が、鷹ノ台にいるんだって?」
「そう。だから、それがバレたらマズイって話しなんだけど」
ハッキリ言えば、お尋ね者の部類なワケで。
「なるほどね」
でも、あんなヤツいたか?
そう思いながら、麟はため息をついた。
「一応、水沢さんが鷹ノ台にいるのは口にするなって、頼まれてる」
「当然俺も、って話しだろ?」
「そう」
頷く。
「そのせいで麟になにかあったら、俺に連絡くれればどーにかするから」
「どーにかって?」
「水沢さんに連絡して、指示待ち。でも、売られたケンカは、買うから」
そーいう事か、と麟は納得した。
売られたケンカを買っていくうちに、運悪く「拳には拳で・・・」といサイクルの中に巻き込まれていくのが。
正義も自分も・・・そして、正義が言うのが事実ならば、水沢や他の連中も。
「自分のことくらい、どーにかするって」
「でもまあ。万が一、手が欲しいなら貸せるから」
「・・・了解」

大きな歯車が回り始めていることを、この時、麟は知る由もなかった。






途中のあとがき

な・・・難産だったよ、この章。
付け加えるの、辞めればよかった(ノ_-;)ハア…
あまりにもキリが悪くて、ついつい書き下ろしたんですけどね。

正直、失敗Σ( ̄[] ̄;)!ホエー!!
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