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オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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 それは8月1日の朝のこと。

 それは8月1日の朝のこと。
ちょうどオフだったから思いつきで悠宇にメールを送った。
件名:あそぼv
本文:今日ヒマ? お誕生日のプレゼントあるから、デートしましょv
送信時間は朝の4時・・・偶然目が覚めて、偶然思いついて。
「あは。イヤガラセみたい」
送ったままでもう一度ベッドに入って寝なおす。
次に起きた時にケイタイをみると「件名:よろこんでv」ってメールが返ってきてた。

待ち合わせの新宿高野に5分前に着くと、すでに悠宇は待っていた。
「あ、ごめんね。暑いのに待たせちゃって」
「大丈夫」
涼やかな顔をして微笑む悠宇に、思わず抱きついた。
「ホント、ごめんね。イキナリ誘ったのに遅刻して」
「大丈夫。誘ってくれて嬉しかったから」
さらに微笑んでくれる悠宇の右腕に、自分の腕を絡めてみる。
「暑いし、中はいろ。でね、フルーツバーでランチね」
悠宇の笑顔に、私はウインクで返した。

「ビュッフェスタイルだから」とテーブルの上に所狭しとお皿を並べると、お互いに顔を見合わせて「いただきますv」とフォークを取った。
「麟くん、今日はどうしてるの?」
まず聞くなら、この話。
「家でゆっくりしてるみたい」
「今日は撮影、ないんだ」
偶然撮影で一緒になった新人モデルが、まさか悠宇の知り合いで、彼氏になるなんて予想外だった。
「プレゼント、ちゃんと当日にくれた?」
この言葉に、ほんの一瞬だけ悠宇は固まった。
「え?」
「サイズ、大丈夫だった?」
これだけ言っただけで、悠宇はにっこりと笑った。
きっと、何を言いたいのか分かってくれてるハズ。
でも、その肝心な指輪は、今日の悠宇の指にはなかった。
つまんないのぉ。
「二人してさぁ、私ことなんだと思ってるの?これからは、相談料取ろうかなぁ?」
ウインクをしてみせると、また悠宇は軽く笑った。
「ごめんね、友里」
「いいの〜私は。麟くんからかうと面白いし」
これはホンネ。
「で?どう、麟くんとは?」
「うん・・・」
その先の台詞は、すぐ返ってこなかった。
でも、その時の悠宇の表情が全てを語ってるような気がした。
すごくすごく、穏やかな表情だった。
「・・・はあ」
思わずフォークを置いてため息つくと、悠宇が首をかしげた気配がした。
「表情でノロケないでくれる?」
「?」

そして夕方、麟くんからメールが届いた。
私があげた悠宇の誕生日プレゼントへの感想だろう。
件名なしで、本文のみ。
「今度、一発殴らせろ」
あは。やっぱりからかうと面白い・・・でも、信じてるからね。
きっと悠宇を泣かせないって。





あとがき

前回に続いての、お茶濁し(汗
一応は、2人のノロケ話って設定なんですけどね。

でも、これはいかに有里が悠宇の事を大切に思っているか、も含まれているんですが・・・それが伝われば幸いです。
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