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オリジナル小説をぽつぽと書いてゆきます
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 世間が「クリスマス」だの「正月」だのに向かって浮足立ってきたのを尻目に期末テストを終えたその足で、3人は集まった。
 そしてその場で、悠宇が言ったのだ。
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 2学期の中間テストが終わって一息、というある夕方。
 寒くもなく暑くもない気温のため、公園で特に理由もないままに集まった。


 急に、思いがけない状況に置かれ、悠宇は困惑していた。

 それはまだ、麟が水沢 勇樹=神崎 悠宇だと分かってすぐの頃だった。

 7月の末日のある日・・・俺はバイト代をもらうべくして、暑い中、事務所へ出かけて行った。

 お風呂にも入り、濡れた髪も乾き、後は寝るだけ・・・という状況になってから、ラグの上に寝っ転がって月を眺めていると、小さなさざ波の様な振動に気付いた。
 「?」
 体を起こし、ソファの上に置いた携帯を見ると、メールの着信を伝えるライトが光っていた。

 充槻は改めて、悠宇には盾つくまいと思うと同時、敵に回さなくて済んだことに安堵した。
 麟は、水沢 勇樹が水沢 勇樹たる理由を悟った。

 さすがに・・・とは言っても、付き合いは半年ほどだが、そういうグサリとくる一言には、慣れた。
 「ばかか、お前?」
 「・・・」
 「ちげーな。ばか、だな」
 紫煙と共に吐き出される言葉に、思わず大きなため息をついた。
 「つーか、お前は1年間一緒のクラスだろ?」
 「まあ」
 「なんで知らないんだよ?」
 「あれは神崎なんだって」
 「・・・」
 すこし視線を彷徨わせてから出た言葉は、
 「オンナのカッコでケンカしねーか」
 「当たりめーだっつーの」

 結局、ドン引きされていることなどまーったく気に掛けなかった充槻は、暗くなるまで居座った。

 予想しないことは、予想しない時に起きるものだった。

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